名古屋大学大学院教育発達科学研究科の五十嵐祐准教授、高知工科大学情報学群の玉井颯一助教らの研究グループは、職場での社員解雇など集団から特定の人物を排斥する際、集団にわずかな利益しかもたらさない人物が対象なら心が痛みにくいことを突き止めた。

 名古屋大学によると、調査は実験参加者と4人の架空の人物の集団で互いに協力しながら利益を出している中、資源の減少で1人を排斥しなければ集団を存続できない状況を想定。実験参加者に集団に大きな利益をもたらす人物と集団にわずかな利益しかもたらさない人物の2人から排斥する人物を選んでもらい、その際にどれだけ心が痛むかを答えてもらった。

 その一連の作業を集団にもたらした利益の数字を変えながら、計40回実施したところ、排斥される人物の集団に与える利益に差があるほど、集団への貢献度が少ない人物が排斥されやすいことが分かった。実験参加者個人に多くの利益をもたらす人物と仮定していても、集団への利益を優先して排斥する人物を選んでいることも明らかになった。

 さらに、排斥される人物が集団に多くの利益をもたらすほど、排斥を決める際に実験参加者の心が痛んだことが分かった。研究グループは集団にもたらす利益がわずかな人物を排斥しても、心が痛みにくいことが明らかにされたとみている。

論文情報:【European Journal of Social Psychology】Odd man out for everyone: The justification of ostracism to maximize the whole group’s benefits

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