コロナ禍で大人も子どもも生活習慣の乱れやさまざまなストレスで精神的、肉体的に大変な時期が続いている。富山大学地域連携推進機構の藤村裕子コーディネーターらの研究グループが、中高生を対象に、30分以上眠りに入れない入眠困難と生活習慣の関連を調べたところ、長い睡眠時間やゲーム時間などと関連があることが分かった。

 富山大学によると、研究グループは1989年度生まれで、調査時期に富山県内に在住していた全児童約1万人を対象に3歳時から3年ごとに生活習慣と心身の健康との関連を調べている富山スタディのデータを用い、中学1年時の生活習慣と入眠困難の関係、中学1年時の生活習慣と高校1年時の入眠困難の関係を分析した。

 その結果、中学1年時の生活習慣と入眠困難の関係では、男子は短い睡眠時間、長い睡眠時間、少ない運動時間、長いゲーム時間、低い自己肯定感、女子は短い睡眠時間、長い睡眠時間、寝室の不快な環境、長いゲーム時間、腹痛、慢性疾患、第二次性徴、精神的な悩み、登校回避感情と入眠困難の関連が見られた。

 中学1年時の生活習慣と高校1年時の入眠困難の関係では、男子はひとり親、低い自己肯定感、女子は朝食の欠食、長いゲーム時間、慢性疾患、肥満、第二次性徴、登校回避感情と入眠困難の関連が確認できた。

 研究グループは夏休みのこの時期は親子で睡眠や生活習慣を点検する良い機会だとして、研究結果に基づき、子供と大人の『眠育』についての動画を作成、公開した(小学校高学年版・中学生版・大人版)。また、教育学部共同教員養成課程の澤聡美講師とゼミ生が考案した睡眠導入用ストレッチ動画も、同じく富山大学 地域連携推進機構 地域医療・保健支援部門のYouTubeで公開している。

論文情報:【Pediatrics International】Short-term and long-term associations with sleep onset latency in school children in Japan

参考:【YouTube】国立大学法人富山大学 地域連携推進機構 地域医療・保健支援部門

富山大学

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