九州大学など九州と沖縄地区の国立大学11校が研究力向上のための連携の覚書を交わした。日本の研究力低下が大きな問題となる中、国から支給される研究資金の伸びが期待できないことから、11校が連携して研究に当たるためで、地域全体で総合大学がまとまって研究連携をするのは初という。
九州大学によると、参加校は九州大学のほか、福岡教育大学、九州工業大学、佐賀大学、長崎大学、熊本大学、大分大学、宮崎大学、鹿児島大学、鹿屋体育大学、琉球大学。覚書の締結式は福岡市博多区のホテル日航福岡に11校の学長らを集めて開かれ、締結後に記者会見した。
11校は共通のプラットフォーム「九州・沖縄オープンユニバーシティ」を形成、高額な研究機器の共有、共同での人材育成などを進める。プラットフォームの事務局は九州大学が務める。
国の財政は普通国債残高が2022年度末で国内総生産(GDP)の2倍を超す1,029兆円に達すると見込まれている。先進国では飛び抜けて高い数字で、諸外国からは危機的状況とみられている。しかも、少子高齢化の影響で社会保障費、国際的な緊張の高まりで防衛費が今後、急激に増加しそうなうえ、日本経済の地盤沈下が止まらず、大学の研究資金を大きく増やすことは極めて困難と予想されている。
九州大学の石橋達朗総長は「各大学の強みや特色を生かし、地域一体となって取り組むことで九州・沖縄の地域課題解決などに取り組みたい」と述べた。