科学技術振興機構は大学発新産業創出基金事業の2023年度プロジェクトとして大阪大学、同志社大学など8件を新規採択した。大学の研究開発にベンチャーキャピタルなどの事業化ノウハウを持つ人材をプロモーターとして付け、研究開発と事業育成を一体化して進めるもので、企業価値の高いスタートアップ企業の育成を目指す。
科学技術振興機構によると、大阪大学の採択事業は大学院工学研究科の青木航教授が進める「次世代型人工ペプチドたんぱく質のための人工リボソームプラットフォームの事業化」。ベンチャーキャピタルのANRIがプロモーターを務め、リボソームを自由自在に改変できる合成生物学の独自技術を実用化し、産業に応用できる人工ペプチドたんぱく質を作る。
同志社大学の採択事業は理工学部の北岸宏亮教授が研究する「世界初の一酸化炭素中毒に対する解毒剤および当該技術を活用した他のガス中毒解毒剤の開発」。公設民営で起業家育成を進めるバイオ・サイト・キャピタルがプロモーター役で、血中で一酸化炭素と結合して尿で排出される化合物を利用、解毒剤を開発する。
このほか、筑波大学、千葉大学、順天堂大学、京都大学、九州大学、佐賀大学の研究が採択されている。
参考:【科学技術振興機構】大学発新産業創出基金事業プロジェクト推進型起業実証支援 2023年度新規採択プロジェクトの決定について(PDF)