文部科学省は、産学官連携リスクマネジメントモデル事業の2016年度契約校に東北大学、三重大学など5校を選びました。産学官連携事業の広がりとともに、大学側からの技術流出や大学と企業の利益が相反することによる信頼の低下を心配する声が出ているのを受け、大学側のリスクマネジメントの仕組みを整備、運用します。

 文科省によると、利益相反に関するリスクマネジメントを整備するのは、東北大学、東京医科歯科大学、東京大学。東北大学は総長をトップとする利益相反マネジメント体制を構築し、総長の下にマネジメント総括責任者を置きます。

 実務は利益相反マネジメント事務室が担当し、人を対象とする医学系研究については、総括責任者と医学系研究実施責任者が掌握する体制を取ります。さらにこれまでの経験と実績に基づき、マネジメントの標準化も進めます。

 技術流出防止に関するリスクマネジメントは、名古屋大学と三重大学で構築します。三重大学は学長から権限を委譲された研究担当理事が所管する地域イノベーション推進センターの内部組織に産学官連携リスクマネジメント室を設置。推進センターとマネジメント室の双方に外部委員を置き、両組織の活動を客観的に評価します。同時に、研究者からリスク流出防止対策の相談を受けられる人材の確保、育成も進めます。これらを通じ、技術流出の心配がない体制の構築、運用を実現するとしています。

大学ジャーナルオンライン編集部

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