就職について担当する『キャリアセンター』も教育学部には特別な意味があります。現在、教育学部では卒業時点で1学年の約3分の2の学生が教員や保育士になっていきます。残りの3分の1の中には公務員や一般企業など、教員以外の道を選ぶ者もいます。明星大学の教育学部は教員養成を志向してはいますが、教員免許取得を卒業要件とはせず、進路変更の可能性も残してあります。ただ、教員や保育士を目指す学生が圧倒的に多いため、別の道へ進もうとする学生は肩身の狭さを感じ、教員にも相談しにくいケースがあるようです。『キャリアセンター』の担当職員は、あくまで学生の気持ちに寄り添いますので、学生は落ち着いて相談することができます。教育学部を卒業して学校や保育園以外の職場を選ぶのも、決して悪くありません。教育学部で身につけられた多様な人と接する力、物事を分かりやすく伝える力、自分で学び続ける力やリーダーシップは、どの分野に進んでも十分に活かせるからです。
キャリア教育の入り口、初年次教育としては、『明星教育センター』による『自立と体験1』が『教育の明星大学』を象徴する授業かもしれません。全学部の学生を横断的にシャッフルして35名ほどの約70クラスを編成して、自校教育、大学で学ぶスキルなどを修得するユニークな取り組みで他大学からも注目されています。教育学部の学生は、この授業においても積極的な役割を果たしています。
教員養成に直接関わるものではありませんが、奨学金やアルバイト、下宿探しから人間関係にまつわるものまで、幅広く学生の相談を受け入れている『学生サポートセンター』の機能も重要です。臨床心理士の資格を持った相談員や精神科医が対応する学生相談室の窓口にもなっていて、学生が安心して学ぶ環境を整える役割を果たしています。
明星大学では保護者との連携にも力を入れています。『育星会』という保護者の組織が中心になって、都内、大学を含む全国10カ所以上の会場で保護者と教員の個別懇談会を毎年開催しています。決して安くはない学費を頂戴するのですから、保護者にも大学を知っていただき、ご要望を伺わなければなりません。とりわけ教育学部の学生の保護者には教育や大学に関心の高い方が多くいらっしゃいます。その想いも、学生の教育にいい方向で活かしたいと考えています。