コンピテンシーの育成を教育の一つの柱として考えると、対面式の、人と人とが向き合う教育がますます重要になってきます。と同時に、正課の授業で知識を学び、技能を身につけることに加え、幅広い経験も不可欠です。そこでKGC2039では、課外活動、体育会や文化クラブの活動などを、正課外教育として位置付けました[下コラム]。チームワーク力やリーダシップ、あるいは忍耐力などの育成には、これらの活動が大いに役立つからです。さらに言えば、キャンパスのありよう、たたずまい、その美しさへの配慮も欠かせません。それらはそのための大きな力になるはずだからです。

 

アカデミックエリジビリティー

Academic Eligibility for KG athletes

(関西学院大学体育会員に関する対外試合出場のための資格制度)
今春の入学者から実施されている、体育会所属の運動部の学生に対して一定の単位を取らなければ試合に出場できないとする制度。一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)の動向も見据えながら、学生スポーツ、運動部の活動は、本来、教育の一環であると、文武両道の原則を再確認する。

 

神戸三田キャンパスを一大改編。理系学部の充実と文理横断教育を加速

 2021年春、理数系人材育成の強化と、文理横断教育の加速を通じて、これからの社会が必要とするイノベーションの起こせる人材、アントレプレナーの育成を目的として理系を中心に神戸三田キャンパスを大きく改編します。


キャッチフレーズは“Be a Borderless Innovator”(境界を超える革新者)。学生が国境、文系・理系の枠、学問分野、大学と社会などの様々な境界を越えて活躍することをイメージしています。

 具体的には現在の理工学部を理学部、工学部、生命環境学部、建築学部の4学部に改組、発展させ、総定員はほぼ変えることなく再編します※8。規模は拡大せず分野を広げ、分野横断型の学びを充実させたい。関西の私学では最もバラエティーに富んだ理系の拠点を目指すとともに、地球規模の課題解決を目指すサスティナブルエナジーの一大研究拠点の形成も図ります※9。

 文系と理系、学問分野間の境界を越えた学び、分野横断型の教育システムの展開にも力を入れます。一つは、西宮上ケ原キャンパスで実績のあるメジャー・マイナー制度を神戸三田キャンパスでもさらに発展させます。すでに本学では、学部間の垣根が低いという特徴をいかして、2004年に4年間で二つの学位を取るマルチプル・ディグリー制度を、2014年のスーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)採択以降は「ダブルチャレンジ制度」※10を教育の基本に置いてきましたが、神戸三田キャンパスでもこれらをさらに強化していきたいと考えています。

 また、メジャー・マイナー制度ほど大がかりではありませんが、各学部から基礎的な専門科目を中心に 12科目程度の科目群を提供してもらい、他学部の学生が自由に履修できるようにする予定です。

 アントレプレナーの育成では、理系でありながらもアントレプレナーシップを持った人材、特に今後は数学のできる人材が重要視されることから、理学部を開講母体に、アントレプレナー育成科目をつくり、これに総合政策学部が提供する「経営、知財、会計、マーケティング等の科目群」や、「AI 活用人材育成プログラム(10 科目)」を組み合わせた育成プログラムを創設。同窓のベンチャー企業創業者らの支援でインキュベーション機能も整備し、学生の起業を後押します。

 

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大学ジャーナルオンライン編集部

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