「人工知能入門」を担当する工学部・情報システム学科の井上 聡准教授は、「G検定の出題は最新の情報、技術から出題される比率が比較的高いのですが、それらについては受験するタイミングにもよるので、学生自身がフォローしつつ、そのための方法(文献、書籍の紹介など)について、講義の中で行うという形をとっています。講義での内容は、時間的制約もあるため、これまでの歴史、動向、技術やその仕組みなど普遍的なものを中心にし、テキストの自習で身に着けられるものは自習を促しています。また、将来的にはG検定の団体受験制度も採用し、資格の取得をサポートすることも検討しております。」
昨今、AIブームともいえるAI人材へのニーズが急速に高まっている。井上准教授によれば、就職活動においても、AIを学んだ学生を企業側からオファーされることも増え、場合によっては、高額の報酬を提示するところもあるという。
政府も「AIを各専門分野で応用できる人材を2025年に年間25万人育成する」との戦略を示している。大学でも次々とデータサイエンスやAI専攻の学部や大学院をつくる動きがみられ、埼玉工業大学も19年4月にAI専攻を新設した。
埼玉工業大学のAI専攻は、AIプログラミング言語・演習、人工知能概論、機械学習、深層学習(ディープラーニング)など、AIの仕組みや開発手法を基礎から理解し、AIの活用方法を提案できるエンジニアを育成する体系的カリキュラムを整備しているのが特徴。
特に同学には、AI関連の多彩な研究・開発に携わる研究者が在籍、その専門分野の人材と研究体制を活かして2018年4月にはAI研究センターを設立し、全学的にAIの研究体制、AI関連の取り組みを強化してきた。AIの応用例として自動運転技術に関する研究・開発に積極的に取り組み、自動運転概論では、AI技術が世の中でどのように役に立っているのか、今後AI技術によってどのように世の中が変わっていくのかを学ぶことができる。2017年10月より「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)*『自動走行システム』/大規模実証実験」に、私立大学として唯一実証実験に参加し、お台場周辺地域の公道による実証実験を開始、第2期の「自動運転(システムとサービスの拡張)」の実証実験にも私立大学として唯一、2期連続で参加している。2017年にキャンパスのある埼玉県深谷市において、県内初の公道による自動運転の実証実験、2019年に兵庫県初のAI自動運転バスの実証運行に協力、2020年は群馬県・八ッ場ダムで「水陸両用バス」の自動運転・運航技術の共同研究など、 AI の研究において国内の私立大学をリードする先進的研究開発の実績がある。
2019年AI専攻の新設時には、40名の定員に対して681人の志願者が殺到し、さらに2020年の志願者は昨年の1.7倍の1181人に増えた。
今後ますますニーズが高まるAI人材の育成において、埼玉工業大学に高い注目と期待が寄せられている。
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