まず、プログラム名に冠された「動物共生科学ジェネラリスト」とは、麻布大学に設置された各学科の領域の専門性を深化させる「専門コア力」、これに並行して関連領域の知識と問題解決手法を獲得する「広範展開力」、自身の専門性を活かしながら関連領域と連携することで新しい実社会の形成にかかわることのできる「実践力」をもちあわせた人材である。同大が展開しているSDGsにかかわるヒト、動物、食品、環境の専門性を活かすことで、これらの力を養い、社会的要求にこたえる人材を育成していくことが、その目標とされている。
そして、当プログラムの大きな特徴としては、高校・大学・大学院が有機的な連携をとることにより、高校生の時点での大学講義の履修、学部生の時点での大学院講義の履修を促進させるなど、時空間を超えた修学のチャンスを提供する。修士課程の早期終了を実現することにより、通常の修士課程取得者と比べ、プログラム参加者には就職後に1年間の時間的なメリットをもたらす。
また、STEM型教育を導入し、修学カラーマップやStepGPAなど、学生が自身の修学の特性を知るために学びの見える化を促進する取り組みも実施する。さらに、菊水教授がセンター長をつとめる「ヒトと動物の共生科学センター」を筆頭に、2021年より運営開始が予定されている「データサイエンスセンター(仮)」「フィールドワークセンター(仮)」では、先駆的な研究に取り組むプロセスから、社会実装力を身につけられることも紹介された。
これらの発表のあとには、麻布大学が取り組んでいる研究などについて参加者からの質疑応答、個々の出席者との情報交換会などが行われ、「麻布獣医学園、創立130周年記者説明会」は盛況のうちに終了することとなった。