産業界等と緊密に連携した実践的な職業教育により、質の高い専門職業人材を育成するため、一般の大学の学部・学科にない基準が設けられていることは、専門職大学の特徴である。

 

 

専門職大学の教育課程は、基本理念に掲げる「養成する人材像」および「ディプロマ・ポリシー」を実現するため、カリキュラム・ポリシーに基いた授業科目「基礎科目」「職業専門科目」「展開科目」「総合科目」の4つの科目群で構成されている。

 

 

 一つ目の「基礎科目」は、「社会的・職業的自立を図るために必要な能力を育成する授業科目」であり、その上で「生涯にわたり自らの資質を向上させる能力を育成する」ことを求めている(単位数は上表のとおり)。文部科学省の公布通知では、様々な職種でキャリアアップの基礎となるICT、外国語等のリテラシー科目も幅広く含める必要も示している。しかし、高等学校以下の教育の学び直しに当たる科目は、必要に応じて開講すべきものとされ、卒業に必要な単位数には含めないとしている。
 
二つ目は、単位数で最も多くを占める「職業専門科目」。専攻する職業分野において必要とされる理論的かつ実践的な能力を育成する授業科目である。専門性の幅を広げ、さらに高度な内容を学ぶ授業も、この「職業専門科目」に含まれる。この科目群「職業専門科目」の専任教員がそれぞれの専門職大学の特徴となる専門性の中核を担う。

三つ目の「展開科目」では、専攻する職業分野において創造的な役割を果たすために必要なものを育成する科目である。そのために、当該職業分野に関連する他分野の応用的な能力を育成する。例えば、専門技能を活かした開業や新たな事業展開を図る際に必要となる経営等の知識や、連携・協働が進む隣接の職業他分野に関する知識などがそれに該当する。隣接他分野の職種に関する知識の中で、当該職業分野にも必要と考えられる知識を学ぶ場合は展開科目に該当する。「+α」として何を学び、展開科目の全体を通じてどのような能力を育成するかは、「養成する人材像」を掘り下げる中で見い出していく。

 

 

四つ目は、修得した知識・技能等を総合し、実践的かつ応用的な能力を高めることを目的とする「総合科目」である。卒業・修了を前に、それまでの授業等で身につけた知識・技術等を統合し、真の課題解決力・創造力に結びつけるための総合的な演習科目等となる。

教育目的に応じ、各専門職大学等にて、前述の4つの科目群以外の授業科目を開設することも可能で、これらの授業科目を通じて、学生の主体的な教育活動の展開を図っていく。

 

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。