学生の定員割れで経営危機に陥る私立大学が相次いでいる問題で、文部科学省の有識者会議で経営難の大学に対して踏み込んだ指導をする法整備、体制の確保や企業でいう「持ち株会社方式」の経営統合推進などを検討していることが明らかになった。有識者会議は3月中に報告書をまとめる方針だが、かなり厳しい方向が打ち出されそうだ。

 文科省によると、これまでの議論では今後の18歳人口急減を見据え、中小規模私大の経営力強化と経営支援の充実が必要とする意見が相次いだ。

 経営強化の点では、既存の学部学科を見直し、ニーズに合った分野への展開を促すとともに、資産の有効活用や日常的な寄付の募集が必要と指摘されている。経営支援面では、文科省や日本私立学校振興・共済事業団が詳しくアドバイスできる指導体制の確立を求める意見が出た。
大学間の連携や統合を求める声もあり、企業社会の持ち株会社のような形態での統合、事業譲渡の促進、合併を推進するための公正な仲介者と国の支援が検討課題に挙げられた。
経営危機に陥った学校への対応では、18歳人口の急減に伴って経営難の学校法人が増えることを想定し、外からの一定の支援と誘導の仕組みを構築するとともに、文科省や私学事業団の指導強化、法体制の整備を求める声が出ている。

 国内の18歳人口は少子化の影響で減少を続け、2014年で118万人。現在は一時的に横ばいが続いているものの、2018年から再び減少に転じる見通しだ。
私立大学は既に過当競争となり、2015年度で43.2%が定員割れの状態。愛知県新城市の愛知新城大谷大学、広島県坂町の立志舘大学など廃校や吸収合併、キャンパス廃止を強いられるところが相次いだ。中でも、人口減少が著しい北海道や東北、中四国の地方私立大学は、定員割れが常態化し、経営悪化が深刻さを増している。

参考:【文部科学省】私立大学等の振興に関する検討会議(第10回)配付資料

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大学ジャーナルオンライン編集部

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