大学での革新的な研究成果を基に起業する大学発ベンチャー企業の数が2021年度、全国で3,000社を初めて突破し、3,306社に上ったことが、経済産業省の調査で明らかになった。大学別では東京大学が最も多く、京都大学、大阪大学が続いている。
経産省によると、2021年度の3,306社は前年度の2,905社から401社増えた。国内の大学発ベンチャー企業数は長く1,700~1,800社で推移していたが、政府の音頭もあってこのところ設立が進み、2017年度に2,000社を突破、それから4年で3,000社の大台を超えた。
大学別で見ると、東京大学発のベンチャー企業が329社でトップ。続いて、京都大学の242社、大阪大学の180社、筑波大学の178社、慶應義塾大学の175社と続く。慶應義塾大学は2020年度時点の90社からほぼ倍増し、順位を10位から5位に一気に浮上させた。
大学発ベンチャー企業では、博士人材の比率が一般企業の研究職に比べ、研究成果ベンチャーや技術移転ベンチャーで高く、博士人材の積極的な活用が進んでいることも分かった。新型コロナウイルス感染拡大の影響については、「昨年と変化なし」と答えたところが多かったが、施設利用や事業計画、投資でマイナスの影響を受けている企業が目立った。