一法人複数大学制度による運営法人統合を検討している名古屋大学と岐阜大学は、林芳正文部科学相に対し、一法人複数大学制度を可能にする国立大学法人法の改正で財政支援や複数大学を運営する機構長の設置などを文書で要望した。

 岐阜大学によると、文書は名古屋大学の松尾清一総長、岐阜大学の森脇久隆学長の連名。東京都内の文部科学省を松尾総長と森脇学長が訪ね、林文科相に直接文書を手渡した。

 財政支援では、新しい運営法人になると、遠隔講義や会議などに使う情報通信機器、教務や財務、人事システムの整備が必要になるうえ、新分野へ教育研究を展開することになるとして、必要な予算措置を訴えた。

 機構長は新法人の機構長選考会議、学長は各大学の学長選考会議の指名に基づき、文科相が任命する形とするとともに、新法人に1つの経営協議会と、各大学に教育研究評議会を設置、教育研究活動の独自性を維持しながら、経営の効率化を図ることができるよう求めた。
新法人の研究拠点は世界水準にするため、大学に付属する研究所ではなく、大学と同等の格を有する施設を設置できるようにすることも要望している。

 名古屋大学と岐阜大学は、東海国立大学機構(仮称)を設置して両大学の事務部門を統合、合理化で生まれた予算や人員を教育や研究に重点配分する運営法人統合の協議を進めている。
名古屋大学が文科省から指定国立大学法人に指定された際、国際競争力向上を目指して打ち出したマルチ・キャンパスシステム実現に向けたもので、2019年3月までに一定の方向を決定する方針。

参考:【岐阜大学】一法人複数大学制度による自律分散型マルチ・キャンパスシステムの実現に向けた要望書(PDF)

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