京都大学は、日本最古の学生自治寮とされる吉田寮の老朽化および耐震性を理由に寮生全員の退去を求めている問題で、2019年2月12日、従来の方針を一部転換し、2015年に建設された吉田寮の新棟については、一定の条件を満たせば学生の居住を認める考えを発表した。

 京都大学は、2017年12月19日に「吉田寮生の安全確保についての基本方針」を決定し、新たな入寮者を認めず、築100年以上になる吉田寮の現棟と2015年に建設された新棟に入舎していた272名のすべての学生は2018年9月末日までに退舎しなければならないとしてきた。しかし、退舎期限を過ぎても60名を超える学生が吉田寮に居住しており、また現棟と新棟のどちらに誰が居住しているか大学側が現認できない状況が続いていた。大学側は2018年12月20日に京都地方裁判所に現棟に対する占有移転禁止の仮処分の命令申立てを行い、2019年1月17日に仮処分が執行されたが、未だ現棟には学生らが居住を続けている。

 そこで2019年2月12日、大学側は改めて現棟の居住者に退去するよう通告したうえで、新棟については、条件を遵守できる学生に限って寄宿舎として供用を認めることとした。条件は2017年12月19日に当時の吉田寮自治会から提出された寮生名簿に記載がある者のうち、代替宿舎等に転居していない学生で、「管理上必要な場合には本学教職員の新棟への立ち入りを認めること」、「氏名・所属及び新棟の居住する居室を明らかにした上で、本学職員による居住実態の確認を受けること。また、退居時にも同様の確認を受けること」など6つ。大学側は、これらの条件を受け入れ、責任ある自治に基づき共同生活の運営を行う意思のある新棟の寮生とは今後話し合いを行うという。

参考:【京都大学】吉田寮の今後のあり方について

京都大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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