国際協力機構(JICA)と北海道の3国立大学法人統合でスタートした北海道国立大学機構が、包括連携協定を結んだ。気候変動や大規模災害の頻発など地球規模の社会課題解決に向け、連携するのが狙いで、JICAが複数の大学を運営する大学法人と連携するのはこれが初めてになる。
JICAによると、包括連携協定の署名式は東京都千代田区二番町のJICA麹町本部で開かれ、北海道国立大学機構が運営する北見工業大学の榮坂俊雄学長、帯広畜産大学の長澤秀行学長、小樽商科大学の穴沢眞学長が見守る中、JICAの田中明彦理事長と北海道国立大学機構の長谷山彰理事長が協定書に署名した。
JICAは帯広畜産大学のある北海道帯広市に北海道国際センターを開設し、獣医・農畜産分野における「開発途上地域への国際協力」に加え「国際協力に資する人材の育成」を目的に、古くから帯広畜産大学と研修員受入事業などで交流してきたほか、大学第1号として包括連携協定を結んでいる。これまで帯広畜産大学が輩出したJICA海外協力隊員は300人以上にのぼる。
北見工業大学はオホーツク地域にあり、凍上現象を含めた寒冷地におけるインフラ管理の研究成果が北見市の道路管理に活用されている。その研究成果を冬季に厳しい寒冷地環境となるモンゴルで活かそうと、2022年8月から2025年8月までの期間、北見市と北見工業大学が中心となり、JICAの草の根技術協力としてモンゴルの道路の維持管理に協力している。
こうした縁を大切にしながら、北見工業大学の工学、帯広畜産大学の農学、小樽商科大学の商学という3校の強みを生かした国際協力を推進するとともに、複合的なリスクが高まる社会課題の解決に乗り出すことにしている。
北海道国立大学機構は2022年、3大学法人が経営統合して発足した。専門分野が異なる3大学の協力で地域貢献を目指している。
参考:【PR TIMES】国際協力機構と北海道国立大学機構が包括連携協定を締結 複数大学を経営統合した大学法人との包括連携協定は初の取組