2019年6月8日、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターがセミナーを開催し、全国各地から300名以上が参加した。
神経科学(ニューロサイエンス)のエビデンスを応用して、中枢神経システムの可塑性を引き出すリハビリテーションを「ニューロリハビリテーション」という。運動行動や認知・学習能力の変化・改善と脳機能の変化を併せて分析することで、リハビリテーション効果の神経メカニズムに迫り、より対象者に見合った効果的な手法を開発する。
畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターは、日本におけるニューロリハビリテーション研究の中核拠点として、医療機関や教育機関と連携した研究と実践をつなぐ役割を担っている。主催するセミナーは非常に注目度が高く、沖縄から北海道まで全国各地から参加希望が殺到し、毎回受付開始から十数分で定員が埋まるほど高い支持を受けている。
今回のセミナーでは認知・運動制御・学習・社会性・身体性・発達から人間を理解することを主眼に構成し、「生活の基盤となる注意のメカニズム」(森岡 周)、「社会とつながる脳と心のメカニズム」(松尾 篤)、「運動学習をもたらす身体メカニズム」(冷水 誠)など7つの講義を開催。様々な分野から300名以上が参加し、会場は満席となった。
主催したニューロリハビリテーション研究センターは「どこまで参加された皆さんと共有できるか心配していたが、アンケートの回答をみると今回のようなセミナー形式にして正解であったと実感している。個別対応での質疑応答では,非常にハイレベルな質問が飛び交い、こちらも更に研究をしていかなければならないと体感しつつ皆さんの日々の努力に感激した」と振り返った。次回は2020年 2月22日『人間理解からリハビリテーションへ』と題して開催する予定。