筑波大学は、新型コロナウイルスの影響で苦境に陥る学生に約7億円規模の「学生経済支援パッケージ」を実施している。その財源の一部を、2020年5月14日よりクラウドファンディングサービス「READYFOR」を通じて募集開始した。第一目標は3000万円、最終的には1億円の獲得を目指す。
筑波大学は「学生経済支援パッケージ」として、約7億円規模の支援実施を決定している。内訳は、全学群生への支援金、自宅外学群生への支援金、通信機器の貸し出しなどに3億円、大学院生へのResearch Assistant(RA)・Teaching Assistant(TA)の拡充に2億円、留学生への支援金に1億円、一時貸付金に1億円。このうち、既存の基金等を活用して4億円を確保し、すでに学生から給付申請の受付、給付に取り組み始めている。
しかし、出口が見えない状況で学生を継続支援するためにはパッケージの完全実施が必要で、残る3億円については教職員の寄附と、さまざまな経路で支援を募っている。クラウドファンディングもその一つ。寄附はプロジェクトページ「未来を救い出すために、全学生へエールを。【筑波大学応援企画】」で募集しており、1口3000円から支援できる。税制優遇の対象にもなる。期間は2020年6月30日23時まで。
取り組みについて筑波大学は「学生たちの失われた時間と資金を考えれば、このプロジェクトで行える補助は小さなものかもしれません。しかし本学は、引き続き学生の経済支援を含む各種の支援方策について検討していく所存です。」とコメントしており、特設ページでは気象予報士・キャスターの井田寛子氏(2001年 第一学群 自然学類卒業)やコピーライター・クリエイティブディレクターの一倉 宏氏(1978年 第一学群 人文学類卒業)、筑波大学図書館情報メディア系准教授・落合陽一氏(2011年 情報学群 情報メディア創生学類卒業)をはじめ多くの卒業生から支援メッセージが届いている。
今回のクラウドファンディングサービスを運営するREADYFOR株式会社は、これまで「READYFOR College」を通じて20大学と提携、58大学の寄附金獲得をサポートしてきた。提携大学の8割は国立大学で、運営費交付金が減少している今、民間からの寄附金確保の手段として活用されている。新型コロナウイルス感染症に関連して各大学が立ち上げている「大学学生応援基金」などの寄附金調達を、特設ページの開設や手数料の一部割引等でサポートしており、筑波大学のプロジェクトはその第一弾となる。