香川大学と総合エレクトロニクスメーカーの富士通(東京、田中達也社長)は、香川県教育委員会の協力を得て、香川県内の特別支援学校4校でICT活用の共同研究「ともに学ぶプロジェクト」を始めました。2016年4月から障害者差別解消法が施行されるのを受けたもので、障害の有無にかかわらず、子供たちがともに学べるシステムの構築を目指します。

 富士通によると、共同研究期間は3月末まで。高松市の高松養護学校(肢体不自由児)、善通寺市の善通寺養護学校(病弱児)、高松市の香川中部養護学校(知的障害児)、観音寺市の香川西部養護学校(知的障害児)の県立支援学校4校で、小学部から高等部のうち4クラスのICT環境を整備し、児童、生徒に教科学習や生活単元学習、自立活動で利用してもらいます。富士通はICT環境の提供、香川大学は特別支援学校教員向けのアドバイスと効果を評価します。
富士通から提供されるソフトウェアは、授業準備、学習履歴の管理を効率的に進める初等中等教育教員支援ツールや、運動機能や知覚統合能力の向上に役立つ機能を備えたツールなど、既に開発済みのものに加え、発達障害や知的障害を持つ子供たちが自分自身で気持ちを表現できる新規開発中のものも含まれる予定です。

 文部科学省は障害者差別解消法の施行を受け、教育の平等を実現するため、障害のある子供たちと障害のない子供たちがともに学べるインクルーシブ教育システムの構築を急いでいます。その実現にはICTの活用が効果的とされるだけに、今回の共同研究が関係者の注目を集めそうです。

香川大学

独自の三位一体型教育(DRI教育)で、創造的・人間性豊かな専門職業人・研究者へ

香川大学は、「世界水準の教育研究活動により、創造的で人間性豊かな専門職業人・研究者を養成し、地域社会をリードするとともに共生社会の実現に貢献する」ことを理念とし、6学部において約5,600名の学生を教育しています。全学部学生に共通の教育の柱として、独自の三位一[…]

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