埼玉県草加市を中心に事業展開する氷川タクシー(運営:野島運輸株式会社)は、日本型ライドシェアが埼玉県南東部交通圏内で解禁されたことに伴い、2024年7月19日からライドシェアサービス『CHOINORI(ちょいのり)』を開始した。併せてドライバーの募集も開始し、主に大学生を中心として奨学金返済期間短縮を目的としたプランを展開する。本プランには、氷川タクシーによる第二種運転免許取得費用の負担などが含まれる。
日本型ライドシェアとは、海外で広まっている仕組みとは異なり、夕クシー会社が一般のドライバー(第二種免許不要)を雇用して運行管理を行い、自家用車またはタクシー会社保有の車両で目的地が同じ客を運ぶ。氷川タクシーのライドシェアサービス『CHOINORI』は金曜日と土曜日の16時から翌5時台までの稼働で、配車・支払いには専用アプリ「GO」を利用する。
氷川タクシーはサービス導入に併せてドライバーの募集も開始し、大学生の奨学金返済期間短縮を目的とした「奨学金返済プラン」を用意した。第一種免許を保有し、免許取得後1年が経過しており、奨学金返済を抱えている大学生の応募を見込む。ライドシェアは飲食などのアルバイトの平均時給よりも時給が高く、日中の学業と被らない時間帯で就業できるため、大学生の新たな収入源になる。
さらに「奨学金返済プラン」加入者には、大学卒業後の就職先として高収入を見込めるタクシードライバーを選択しやすくなるよう、第二種運転免許取得費用を会社が負担する福利厚生を付与する。一般に義務付けられる最低2年間の勤務の制約もない。大学生のうちにライドシェアドライバーからタクシードライバーとして氷川タクシーに就職することも可能(面接あり)。
日本には奨学金返済に苦しむ若者が多くおり、労働者福祉中央協議会の「『奨学金や教育費負担に関するアンケート調査』調査結果の要約」(2019年)によると、返済期間は平均で14.7年。また、日本学生支援機構の調査によると、奨学金延滞者は13万2千人(2021年)にのぼり、中には奨学金返済ができず自己破産に陥るケースもある。
氷川タクシーでは、こういった社会課題を受け、少しでも早く奨学金を返済して充実した生活が送れるようサポートするため、「奨学金返済プラン」を創設した。氷川タクシーでは「奨学金返済プラン」を通じて、奨学金返済期間の短縮と、タクシードライバー不足の2点に寄与できればと考えている。