文理融合で「現場で活躍できるデータサイエンティスト」を育成

「『モラリスト×エキスパート』を育む。」を教育ビジョンに、2022年に開校150周年を迎える立正大学。その記念すべき年に一年先駆けて設置を予定しているのがデータサイエンス学部(仮称)。大量に収集したデータを、進化した情報技術によって様々な角度から分析、社会の諸課題の解決に役立てようという情報科学の新しい枠組みに特化した学部で、政府のSociety 5.0構想や、『AI戦略2019』の掲げる教育改革とも歩調を合わせる。新学部について、学部長予定者の北村行伸先生に、設置の背景、目指すところ、求める人材像などに加えて、新学部開設にかける意気込みについても語っていただいた。

 

国の教育改革を先取り

 新学部の開設構想を聞かされ、参画を打診されたのは約1年前。日本の高等教育はデータサイエンス分野において欧米に遅れをとっていて、何とかしなければならないと常々思っていたため、共鳴するところも多く、快諾させていただきました。そこから教員募集、カリキュラム作成まですべてに情熱を傾けて取り組んでまいりました。

 学長の吉川洋先生※1とは、政府や日銀の研究会等でよくご一緒させていただき、気心も知れていたのがご縁の始まりです。吉川先生は、政府の統計に関わってこられた経験から、日本は統計部門が弱いことをかねがね指摘されていて、データというエビデンスによる政策立案の必要性を訴えてこられました。

 この間、世界のビジネスは、GAFAに象徴されるデータプラットフォーマーが、インターネット上で情報を集め主導権を握りつつあり、日本もそれについて行かざるをえない状況になっています。たしかに日本はこれまで、たくさんのデータを保有しながら、国も企業もその価値に気づかず使えてこなかった。しかしこのあたりで頭を切り替え、それらの有効活用を図ることが急務となっています。そこからは新しい価値が生まれる可能性があり、日本独自の強みを発揮できるかもしれないからです。吉川学長の言葉を借りれば「価値創造」ということになりますが、新学部としてもその一端を担いたいと考えています。またそのための人材養成については、政府主導により大学全体で始まろうとしているデータサイエンス教育※2に加え、学部で集中して育てることにもチャレンジしたい。学園としても、今の時代に新学部を作るとしたらデータサイエンス教育に特化した学部が最適ということで開設が構想されました。

 

※1:2019年から第34代学長。経済学者、東京大学名誉教授。
※2:『AI戦略2019』の掲げる教育改革では、「文理を問わず、全ての大学・高専生(約50万人卒/年)が、課程にて初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得」とある
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大学ジャーナルオンライン編集部

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