立正大学に新しい風を。大学としてアフターフォローにも力を入れたい

 これは私の個人的な意見ですが、学部教育では教育が重要だとされますが、よく背中で教えると言われるように、教員が研究力、実践力を高めることも極めて重要です。研究室に閉じこもって地道に研究を深め、コツコツ教育するだけでなく、研究成果を社会にアピールしたり、ビジネスを立ち上げるなどして、積極的に社会への情報発信に努めてほしい。教員の社会的な認知が高まれば、学生のモチベーションも高まりやすく、結果的にそれが教育の質を高めるのだと思います。

 本学は、150年の伝統を持つ数少ない大学で、学生もまじめです。しかしこれから新学部が育成するのは、デジタル社会の最前線で活躍する人材ですから、多少型破りであっても粗削りであってもいいと思います。卒業後は、企業家を目指したり、新しいビジネスを立ち上げたり、あるいは転職を恐れず、新興の中堅・中小企業へも積極的に飛び込んでいくなど、失敗を恐れず何事にもチャレンジしてほしい。

 大学もそのためのバックアップを惜しみません。新学部は熊谷キャンパスに開設されますが、都心の品川キャンパスには来春、国の求める全学的なデータサイエンス教育をサポートしながら、全学的にデータサイエンス研究を推進するためのデータサイエンスセンター(仮称)を設置予定です。技術の進歩は早いですから、卒業した後も大学に戻り、新しい情報、知識を得、新しい技術についても学び直したり、実務の現場でいかすことのできる仕組みも作りたいと思っています。
 2020年の本学キャッチフレーズは「変化→自信→成長できる大学」。変化が全ての始まりであるとしていますが、デジタル社会を先導する人材を育成する新学部には、立正大学全体に変化を引き起こす役割もあると思っています。

 

データサイエンス×価値創造の分野例

■ビジネス

ものづくりの現場や市場、流通などの過程で収集されるビッグデータの分析から、新しい視点での問題解決やこれまでにないビジネスモデルを創出する。

 

■観光

携帯電話の位置情報や購買記録、SNSの投稿など、旅行者の提供する膨大な情報を分析し、観光産業を牽引。新たな観光スポットやニーズを開拓し、新しい観光産業の発展や地域の活性化につなげる。

 

■社会

気象や地理に関するデータや国の統計データをはじめ、各種データを活用し、環境、経済、医療、教育、交通など、社会の様々な課題解決を図るとともに、インフラや防災計画等、公共政策の充実に貢献する。

 

■スポーツ

AI・IoTなどの最先端技術で選手の動きやコンディション、チーム状況に関するデータを解析・活用し、プレーの質向上やまったく新しい戦術の開発など、スポーツ界をデータサイエンスでさらに発展させる。

 

学部長就任予定者 経済学部教授
北村 行伸 先生
慶應義塾大学経済学部卒業。オックスフォード大学大学院修了(D.Phil. in Economics)。オックスフォード大学研究助手、慶應義塾大学大学院客員助教授、一橋大学経済研究所教授・所長等を経て、2020年4月より立正大学経済学部教授。一橋大学名誉教授、総務省統計委員会委員長、日本学術会議第1部会員、日本銀行金融研究所研究員、財務省財務総合政策研究所特別研究官などを兼務。県立千葉高校出身。

 

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大学ジャーナルオンライン編集部

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