ミス・パリ・ビューティ専門学校、ミス・パリ エステティック専門学校を運営する学校法人ミスパリ学園は来年度、「ビューティ&ウェルネス専門職大学」を神奈川県横浜市都筑区に開学します。少子高齢社会に求められる多様な「心身の美と健康」を科学的なエビデンスを持って指導できるプロフェッショナル、人々の生活の質(QOL)向上に寄与する人材の育成が目的です。専門職大学は職業人養成を目的として600時間の臨地実務実習や高い実績を持つ実務家教員の配置などが義務づけられており、エステティック ミス・パリ、ダンディハウス、たかの友梨ビューティクリニック、美容室Ash、ティップネス、ホットヨガスタジオLAVAの全面的な支援の下、現場と直結した高度な教育・研究が期待されます。開学を前に下村朱美理事長と室伏きみ子学長に話をお聞きしました。

 


 

美容や癒やし、健康づくりの分野まで幅広く活躍する技術者を養成

 

——来年春いよいよ「ビューティ&ウェルネス専門職大学」が開学します。

下村 大学を作りたいと思ったのは2006年でしたが、まず2008年に「ミス・パリ エステティック専門学校 名古屋校」続いて2010年に「ミス・パリ・ビューティ専門学校」を開校いたしました。ミス・パリ・グループが40周年を迎える今年、専門職大学の開設にこぎ着けたことは感無量です。

 私どもはサロンを始めたときから、科学的な理論に基づくサービスを提供したいと考えていました。30年以上前にはエステティックスクールを開校しました。理論がわからないのにお客様の大切な体に触ったり、ときには心に触れたりということは素人はしてはいけないと思ったのです。

 ここ10年ほど、特に感じるのは、お客様の中にサロンで楽しい会話をしたり、絵を愛でたり、やさしい気遣いを受けることで豊かな気持ちになりたいという方が増えてきたということです。見た目も素敵になって、健康にも良くて気持ちが良くて、大事にされるのが嬉しいと言われるんです。QOL(生活の質)の高い豊かな人生を送りたい、という人が増えています。そうなるとセラピスト(技術者)にもカウンセリング力や心理学などの知識も持った美と健康に関する高度な人材の育成が必要になる。つまり大学での教育・研究が求められる時代になってきたのです。

 ビューティ&ウェルネス専門職大学では、お客様のQOLを高める「ビューティとウェルネスのプロフェッショナル」を養成します。美容や癒やしに加えて、健康づくりの分野まで幅広くカバーできる技術者、高いコミュニケーション力やマネジメント力を持った新しい産業界のリーダーの輩出を目指します。

 

エントランスホール

 

「ビューティ&ウェルネス」を学術として作り上げ、QOL向上に寄与したい

室伏  今、グローバル化と同時に少子高齢化が猛スピードで進んでいます。私は、そういう状況のなかで、一人ひとりが心豊かに美しく、やさしく、そして健康でいられることが非常に大事だと考えてきました。ビューティ&ウェルネス専門職大学は、そんな健康で長生きする社会に貢献できるだけでなく、健康寿命を延ばし、医療経済の立て直しにも寄与できるでしょう。

 私たちは、大学開設を前に「ビューティ」「ウェルネス」という言葉を科学的・学術的に定義づけようと議論しました。その結果、ビューティとは単に外見的な美しさではなく、美しい物に接したり、自分自身が美しく振舞ったりすることによって幸せな気分になることなどもすべて包含する。またウェルネスは、健康でありたいという気持ちを実現するために努力することも含んだ概念である、という考えに到達しました。こうした考え方に基づき、「ビューティ&ウェルネス」を科学に裏付けられた学術として作り上げ、教育と実践を通して人々のQOLを向上させるのに役に立ちたいと考えたのです。

 「ビューティ&ウェルネス産業」は今、世の中の注目を集め始めています。将来は学生たちがさらに学びと研鑽を深める大学院を設置して、ビューティ&ウェルネス分野の開拓者、その牽引者となる人材を輩出したいと思っています。

 

中庭

 

特色ある授業や実習、クラス担任制などで、きめ細かな指導を

 

——教育の特徴について教えてください。

室伏 特色のあるカリキュラムが用意できたと考えています。セラピスト、エステティシャンなど優れた技術者を育てることはもちろんですが、パンフレットに「<人間力×実践力×創造力>を高める専門職大学ならではの学び」とあるように、技術だけでなく、その提供に必要なさまざまな教養や基礎医学や心の問題にかかわる知識・見識などをしっかり身につけてもらいます。

 授業科目は、「基礎科目」「職業専門科目」「展開科目」「総合科目」という4つの科目群に分けられ、それぞれ《社会的および職業的自立に必要な能力を身につける科目群》《実際の専門技術や医学的知識を身につける科目群》《新たなサービスを生み出せる能力を身につける科目群》、そして《そういう知識や技術を総合して応用能力を向上させる科目群》となっています。

 教員には、お茶の水女子大学や順天堂大学、法政大学などで、各分野での豊富な教育研究経験のある先生方や、化粧品会社や製薬会社での研究員、役員経験者など、実力者がそろっています。質の高い教育と同時に、教育の裏付けとなる質の高い研究ができる体制です。実力のあるセラピストとして実際にサロン経営者や業界で活躍しているマネージャーたちにも協力してもらいます。

下村 教員については、大学設置基準上は35名となっていますが、その道のトップクラスの先生たちを48名集めました。専門職大学の特徴である600時間の「臨地実務実習」では、ミス・パリ・グループや大手のビューティサロンでのエステティック研修のほか、スポーツジムでのインストラクター研修、ホットヨガ研修などを行います。

室伏 1年次の最初にある授業「ビューティ&ウェルネス入門」では、下村理事長をはじめ教員たちが、オムニバス形式で「ビューティ&ウェルネスとは」について話をします。それぞれの専門に基づいてその領域の将来性や新しい産業の可能性について語りますから、学生たちにとっては将来を思い描く上での参考になり、学びや職業に対するモチベーションも上がると思います。

下村 本学では在学中に10余りの資格が取得できます。私としてはエステティック業界統一の認定上級エステティシャン資格である「ビューティセラピスト」をぜひ取ってほしいと思いますが、ほかにも健康づくりのための運動を指導する健康運動実践指導者やビューティアドバイザー、ダイエットアドバイザーなどの資格、さらにサービスマナー検定、ネイリスト技能検定などの取得にもチャレンジしてほしいと思います。

室伏 指導体制はきちんと整えてあり、学生数に対する教員比率が高いことに加えて学生対象の相談窓口も作っています。さらに、1クラス40人で担任がつきますから、学生たちは日常的に教員と交流を図り学生生活や進路についての相談ができるようになっています。

 

運動指導実習室

 

就職先の分野は多岐にわたり、社会の中核的存在としての活躍も期待できる

 

——就職の見通しはいかがでしょうか。

下村 卒業生の就職については、求人数はかなり多いと考えていて全く心配しておりません。専門学校ではエステティックサロンで働く人たちを育てていますが、本学卒業者では、エステティックやスパだけでなく、スポーツジム、健康食品・化粧品の会社など、美と健康に関する幅広い分野になると思います。企業の商品開発者や施設のマネージャー、起業家など、社会の中核的人材として活躍することも期待しています。
 実は、エステティックサロンやスパの幹部に対して「どのような勉強をしたスタッフが欲しいか」とアンケート調査を行ったところ、「体に関する勉強をしてきて欲しい」「マネジメントをわかって欲しい」「もっと教養を身につけて欲しい」などの回答が多く寄せられました。求める資質が、技術やマナーだけではないことに「やはりそうなんだ」と思い、本学が社会に求められている存在であることを確信しました。

室伏 美と健康に関してはエステティック、リラクゼーション、スパ、フィットネススポーツ、アロマ、ネイル、リフレクソロジーなどさまざまな業界がありますので、卒業生はさまざまな形で美と健康のために奉仕し、新領域の発展に貢献できる人材になるでしょう。
 セラピーを施術するときに必要なリスクについてもきちんと学びます。技術についても科学的エビデンスとともに学び、しかも自らの頭で考えられるような訓練もしますので、さまざまな問題に対処できる人材として多くの施設・企業から求められると思います。

 

実習室

 

男子学生も大歓迎、将来は留学生受け入れも

 

——どのような学生に入学してほしいですか。

下村 まず本人がビューティ&ウェルネスに興味関心を持っていることが第一ですね。本学は共学制であり、ビューティ&ウェルネス産業は男性にとっても将来性がありますから、男子学生も大歓迎です。エステティック業界で働く男性技術者は5%くらいだと思いますが、ミス・パリ・グループには男性専門のダンディハウスというサロンがあり、以前から男性のエステティシャンが働いています。
 また、現在は定員が少ないので留学生を受け入れる余裕はありませんが、美と健康を学ぶ日本の専門職大学は、「和スパ」人気ともあいまって、アジアでも世界においても注目を集めるはずですから、将来的には留学生も受け入れることになると思います。

室伏 日本は少子高齢社会の先進国。さまざまな課題も山積していますが、その中でも特に、健康で幸せに過ごしていく社会を作っていくことが喫緊の課題だと思います。ビューティ&ウェルネス産業の発展に資する人材はこれからの社会に必要欠くべからざる存在です。人々の健康と幸せのためにがんばりたいという志のあるたくさんのみなさんに、本学を目指してほしい。私たちはそういうみなさんを、入試制度も含め、万全の態勢を整えてお待ちしています。

 

——ありがとうございました。

(9月9日:株式会社ミス・パリ東京本社にて)

 

〈ビューティ&ウェルネス専門職大学〉

2023年4月開学
〒224-0012
神奈川県横浜市都筑区牛久保3-9-3
TEL:0120-732-151
mail:info@miss-paris.ac.jp

ビューティ&ウェルネス学部 入学定員234名
https://www.miss-paris.ac.jp/bwpu/

 

学校法人ミスパリ学園 理事長

下村朱美

1957年鹿児島県出身。1977年池坊短期大学卒。
1982年女性向けエステティックサロンを開業。現在、「ミス・パリ」「ダンディハウス」「WASPA」等のブランドを展開。
1990年「ミスパリインターナショナルスクール」開校。2008年「学校法人ミスパリ学園」を設立し「ミス・パリ エステティック専門学校」を開校。
2013年より国際文化協会会長、日本ニュービジネス協議会連合会副会長。2013年〜2020年東京ニュービジネス協議会会長。その他、内閣府男女共同参画推進連携会議議員、日本貿易振興機構運営審議会農林水産分野分科会委員などを務めている。
2005年世界優秀女性起業家賞受賞。
2008年日刊工業新聞主催優秀経営者顕彰女性経営者賞受賞。

 

 

ビューティ&ウェルネス専門職大学 学長

室伏きみ子

1970年お茶の水女子大学理学部卒業(理学士)、1972年お茶の水女子大学大学院理学研究科修士課程修了(理学修士)、1976年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(医学博士)。
1977年アメリカ、ニューヨーク市公衆衛生研究所研究員を務め、1996年お茶の水女子大学理学部教授。理学部長、理事・副学長を経て2015年学長に就任。
その他、フランス、ルイ・パスツール大学(現:ストラスブール大学)客員教授、日本学術会議会員(第19期〜22期)、ブリヂストン(株)社外取締役、国立研究開発法人日本医療研究開発機構監事、文部科学省・経済産業省・内閣府の各種審議会委員などを歴任。
2021年お茶の水女子大学学長を退任し、現在は、お茶の水女子大学名誉教授、ストラスブール大学名誉博士。

 

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。