京都女子大学(京都市東山区)を運営する学校法人京都女子学園と滋賀県は、2026年10月16日に「看護学部等」の設置・運営に関する基本協定を締結した。2029年度に設置を構想しているのは、大学の看護学部看護学科と、大学院の看護学研究科看護学専攻(博士前期課程/博士後期課程)。
京都女子大学によると、滋賀県庁に隣接する県有地に、鉄骨4階建て・延べ約7,000平方メートルの滋賀大津キャンパスを新設する予定で、校舎の外観パースも公開された。看護学部看護学科の入学定員は80人、大学院看護学研究科看護学専攻は博士前期課程5人(学部完成時20人)、博士後期課程2人(学部完成時3人)とされており、学部定員に対して博士前期課程の定員割合が高い点が特徴となっている。
看護学部では、1回生時は京都・東山キャンパスでも履修する計画。幅広い教養教育を受けたうえで、大津キャンパスで専門教育を展開する。学部段階で取得可能な資格を「看護師」に限定することで、過密な履修を解消し、学びの時間を確保する方針。また、総合大学の強みを生かし、8〜16単位で構成する複数分野の「副専攻課程(心理学・カウンセリング、地域福祉、健康栄養、データ活用、施設経営、法・生命倫理 など)」や「学部横断型プロジェクト学習」を導入する。これにより、情報処理力・データ活用力を備えた看護DX人材や、多角的な視野を持つ看護師の育成を目指す。
さらに、大学院進学を前提とした高度教育も展開する。成績優秀者を対象に大学院科目の先取り履修を認め、5年間で看護師免許と修士号を取得できるキャリアパスを整備する。博士前期課程の2年間では、保健師・助産師・専門看護師の資格取得や専門性の強化を図り、地域や医療現場を牽引するリーダーの育成を目指す。
滋賀県は施設整備費の支援に加え、実習先の医療機関開拓でも協力する。滋賀県は京都市や大阪市のベッドタウンとなり、県内で学んだ看護学生の流出が懸案に浮上している。京都女子大学の進出を県内定着の一歩としたい考えで、人手不足克服のための離職看護師向けリカレント教育の場になることも期待している。
三日月大造滋賀県知事は「学生の確保から県内定着まで幅広く連携したい。JR大津駅に近い滋賀大津キャンパスが駅前のにぎわい創出につながることも期待する」、京都女子大学の竹安栄子学長は「多職種と対等に協働できる看護師を養成し、地域に貢献したい」とのコメントを発表した。
参考:【PRWIRE】学校法人京都女子学園 × 滋賀県「基本協定」を締結 JR大津駅前に「看護学部・大学院」を2029年開設へ
