2021年1月から始まる大学入試共通テストで導入される英語の民間試験について、東北大学は出願要件とせず、合否判定に活用しない方針を明らかにした。入試に利用する準備が整っていないと判断したためで、既に英語民間試験の成績提出を必須としない方針を打ち出している東京大学や名古屋大学に追随する格好になった。

 東北大学によると、2021年度入試では受験生の英語力を6段階で構成される欧州言語共通参照枠(CEFR=セファール)の下から2番目に当たる「A2」以上の能力を持つことが望ましいとしているが、受験に際して証明書などの提出を求めない。

 活用見送りの理由は第1回の大学入学共通テスト時点で英語民間試験の公平な受験体制整備や成績評価に課題が残るとした。東北地方などの高校を対象とした調査で英語民間試験必須化への賛成が8%にとどまり、反対が4割に上ったことも考慮した。翌年の入試については今後、導入するかどうかあらためて検討を進める。

 英語民間試験は「読む」「聞く」「話す」「書く」という4技能を評価するために導入される。大学入試センターは異なる民間試験の結果を比較するため、結果を欧州言語共通参照枠に当てはめ、評価する考え。国立大学協会も活用する基本方針を定めているが、居住地や保護者の経済状況で格差を生じかねないとして懸念を示す大学が相次いでいる。

参考:【東北大学】平成33年度入試における本学の基本方針について

東北大学

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