金沢大学医薬保険研究域の金田勝克教授、京都大学大学院薬学研究科の金子周司教授、名古屋大学環境医学研究所の山中章弘教授、北海道大学大学院薬学研究院の南雅文教授の研究グループは、ストレスによってコカインへの欲求がなぜ増大するかを世界で初めて解明した。

 金沢大学によると、研究グループは薬物欲求に関与していると示唆されている脳の内側前頭前野、ストレスホルモンと呼ばれるノルアドレナリンに注目。内側前頭前野の神経細胞同士の情報伝達と細胞の活動に対するノルアドレナリンの影響を調べたところ、ノルアドレナリンが興奮性の神経情報伝達を大幅に増大させ、神経活動を高めることを突き止めた。

 さらに、マウスの内側前頭前野でノルアドレナリンの作用をブロックしたところ、ストレスで増大したコカインに対する欲求を著しく抑制することも分かった。研究グループはノルアドレナリンが内側前頭前野の過剰な興奮を引き起こす結果、コカインに対する欲求が増大することを示しているとみている。

 麻薬や覚せい剤などの薬物依存症では、いったん薬物をやめても再び摂取してしまう「再燃」が治療を困難にしている。再燃を引き起こす要因はさまざまだが、日常のストレスもその1つと考えられてきた。しかし、ストレスが脳内のどこでどのように作用し、再燃に至るのかは解明されていなかった。

論文情報:【Neuropharmacology】Acute restraint stress augments the rewarding memory of cocaine through activation ofα1 adrenoceptors in the medial prefrontal cortex of mice

この記事が気に入ったらおねがいします。

金沢大学

伝統と革新の融合から新たな知の創造へ

「専門知識と課題探求能力、そして国際感覚と倫理感を有する人間性豊かな人材の育成」を教育目標に掲げています。科学的な世界観と歴史観、論理的展開力、己を磨く人間力、創造力、日本文化・異文化に対する深い理解力を備え、知的基盤社会の中核的リーダーとなって挑戦し続ける人[…]

北海道大学

歴史と伝統を継承しながら広く世界に優秀な人材を求め、人類の福祉、科学、文化及び社会の発展に寄与する

「フロンティア精神」、「国際性の涵養」、「全人教育」、「実学の重視」を教育研究の理念として掲げ、全学教育・専門教育を通じて専門的知識の習得と主体的かつ総合的な人材形成を図り、全人的な教育を身につけ、国際性豊かな人材を育成します。[…]

京都大学

「自重自敬」の精神に基づき自由な学風を育み、創造的な学問の世界を切り開く。

自学自習をモットーに、常識にとらわれない自由の学風を守り続け、創造力と実践力を兼ね備えた人材を育てます。 学生自身が価値のある試行錯誤を経て、確かな未来を選択できるよう、多様性と階層性のある、様々な選択肢を許容するような、包容力の持った学習の場を提供します。[…]

名古屋大学

総合的かつ自主的な判断力を持つ豊かな人間性を有する人材の育成

基礎技術を「ものづくり」に結実させ、そのための仕組みや制度である「ことづくり」を構想し、数々の世界的な学術と産業を生む「ひとづくり」に努める風土と、既存の権威にとらわれない自由闊達な学風の上に、真の勇気と知性をもった未来を切り拓く人を育てます。[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。