研修医の地域間偏在が各都道府県の臨床研修プログラム定員枠増減だけでは解決困難なことが、順天堂大学大学院健康データサイエンス研究科の井出博生准教授、自治医科大学地域医療学センターの小池創一教授らの研究で分かった。
研究グループは医療臨床研修マッチング協議会の協力を得て入手した2022年のマッチングデータから、医師の多い上位3分の1の県の定員枠を削減し、少ない下位3分の1の県の定員枠を5~20増加させて格差是正が可能かどうか調べた。
それによると、医師の少ない県の定員を増やしても、マッチングが成立した研修医数が減少し、都道府県別の定員充足率は大きく変動しなかった。元の都道府県でマッチしなかった研修医が他の都道府県でマッチする割合が低く、結果として「アンマッチ」になる研修医が増えた形で、定員枠を地方へ移しても地方へ向かう研修医は移動しないと分かった。
研究グループは「定員枠の拡大ではなく、医学部地域枠の活用や医師が少ない地域での研修機会充実、非金銭的インセンティブの提供など他国で既に効果が実証された対策の推進が現実的で重要」とみている。
