規模・レベルともに世界最高峰とされる「高校生英語ディベート世界大会」は、予選8試合のうち4試合が事前調査型、4試合が即興型で行われる。予選の上位チームが決勝トーナメントに進出する。

日本は2006年から参加しているが、15年間予選突破できず、2021年に初めて決勝トーナメントに進出。その後も3度進出するも、いずれも1回戦で敗退。そして今年、5度目の挑戦で、ついに決勝トーナメント1回戦を突破し、世界ベスト16入りを果たした。即興型は議論の準備時間が60分で、8分間のスピーチをする。
今年の日本代表チームのメンバーは5人。聖光学院高校から1人、渋谷教育学園幕張高校から2人、渋谷教育学園渋谷高校から1人、市川高校から1人が出場した。
決勝トーナメント1回戦の相手は、この大会の最多優勝国であり、昨年準優勝したオーストラリア。論題はThis house supports the decline of traditional retail in favour of e-commerce.(伝統的な実店舗型小売業が衰退し、電子商取引が主流となることを支持する)。結果は2対1で日本が勝利。

2回戦の相手は、昨年の優勝国であるインド。論題はThis House, as a religious individual, would actively question religious teachings, as opposed to passively accepting them.(宗教を信仰する個人の立場として、宗教的教えを受け身で受け入れるのではなく、積極的に疑問を投げかけることを支持する)。結果は0対3で日本が敗退。
とはいえ、74カ国が参加した世界大会で初のベスト16入りは天晴れ。今後の日本代表チームのさらなる躍進に期待したい。
「即興型ディベートで医学に挑む」~即興型英語ディベートを医師養成大学で
AI時代の英語学習が問われる中、中学・高校ではAIに依存しない実践的なコミュニケーション力を育む手法として「ディベート」がにわかに注目を集めている。本書は3年前、中・高向けの即興型ディベートプログラムを、医師養成大学のためにカスタマイズした取組の実践報告書。著したのは元大阪府立高校の英語教員で北野高校の校長などを歴任した恩知忠司氏。退職後の2023年、奈良県立医科大学から英語教育改革の依頼を受けた際、即興型ディベートの導入を思いつき、(一社)パーラメンタリ―ディベート人財育成協会(PDA)の協力を得て、2年次向けの「医科学英語」を開発。確かな手ごたえをつかんだ。本書には、その導入のいきさつから、具体的なカリキュラム、実践例などがわかりやすくまとめられている。グローバル時代の医師養成における外国語学習の、一つの方向性を示す一冊である。