学問の意欲と興味を伸ばし、学び続ける技術者に

 学生それぞれの習熟度合いにも幅があるため、“やらないでは済まされない”環境では、学生のサポートが不可欠だ。そのセーフティネット役を担うのが、学修支援センターである。常駐する10人のチューター(数学5人、英語3人、物理2人)がクォータ科目の補習を実施するほか、各クォータ科目担当教員とチューターが連携を行いながら補足指導をきめ細かく行う。加えて学部生からは「学修支援ボランティア」を募り、学生同士による気軽なピアサポートの充実も図っている。

 目的意識、学習意識が高い学生の学問への興味や意欲を伸ばすことはもとより、基礎力のある技術者を育てるため、今一度「工業高校生が推薦で進学できる日本唯一の大学」という原点を大切にしたいと思う。学修履歴に捕らわれず、学生自らがわかるまで繰り返し勉強できる初年次教育。この取り組みを深化させながら、生涯学び続ける技術者の育成に向け、本学ならではの工業教育を推進していきたい。

 

日本工業大学
学修支援センター長・教授
岩﨑 利信 先生
宇都宮大学工学部卒業。埼玉県工業校長会会長、関東地区工業高等学校長会会長、関東地区電子機械教育研究会会長、公益社団法人全国工業高等学校長協会副理事長を経て現職。専門分野は工業教育、学修支援。

 

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日本工業大学

「実工学新時代」変わる教育、変わらない理念

1967年に開校した日本工業大学は、専門的な実験・実習・製図科目を初年次から履修させるなど、独自の「実工学」の学びを展開しています。現在は、基幹工学部・先進工学部・建築学部の3学部7学科2コース編成で、伝統の実工学教育を継承・発展。実工学教育のさらなる深化を目[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

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