他にも様々な活動を支援、見える化

みなさんは、SDGsに代表されるさまざまな社会課題に関心があると思います。SDGsは、環境・貧困・紛争・教育・食糧など、持続可能な社会を実現するために私たちが取り組むべき課題を提示しています。持続可能な未来に向けて、私たちがさまざまな課題に対して主体的にチャレンジすることが問われているのです。本学では2016年、国連がSDGsを掲げた翌年の夏、学生主体でSDGsの17の達成目標に向けて課題解決に取り組むSustainableWeek実行委員会[コラム]という学生団体が発足。地域住民の方々や企業、自治体などを巻きこみ持続可能な活動をしています。彼らの活動を支援するのも、広い意味でのRIMIXの役割です。

R I M I X の活動の一つである「BeyondCOVID-19」は、コロナ禍でリアルな活動が制限される中でも、「何か行動を起こしたい」という学生の声をもとに、オンラインコミュニティスペースを整えたのが始まりです。立命館学園の学生・生徒・児童・教職員がプロジェクトを立ち上げ仲間を集うことができ、80以上のプロジェクトが発足しています。

自分たちが全力を出せるような機会、信頼できる場を提供すれば、学生や高校生が積極的に参加してくれるのをみて、そもそもわれわれはこれまで、教えることに重きを置き過ぎてきたのかもしれないとも思っています。これでは、学生、生徒は教える者を越えられない。乗り越えてもらうには、自分たちで主体性を持って取り組める環境が不可欠。われわれの役割はきっかけ作りであり、共に成長していくという姿勢で彼らに寄り添い、適切なアドバイスをしたり、学外とのコーディネートをサポートしたりすることが重要ではないかと思っています。

元々本学には、学生同士が学び合い、教え合うピアラーニングの文化があります。ここからは優れた活動がたくさん生まれてきていて、本学の強みの一つになっていると思います。今回の総長ピッチも、チームとしての参加を促すという意味ではその伝統を受け継ぐものですし、新しい時代のニーズがますます複雑化する中、各々が得意分野で課題を発見し、連携して取り組むことは、研究面でもとても重要だと思います。

 

コラム
実行委員会:Sustainable Weekは、立命館大学びわこ・くさつキャンパスで始まった。キャンパスを1万人の「小さな地球」と見立て、SDGsにおける17のゴールを目指して、啓発・解決の視点から主体的に取り組むイベント。実行委員会は、大学を核に、周辺地域を巻き込む増殖型SDGsエコシステムを創造するというVisionの下、「学生同士が連携し、社会と繋がりながら、主体的に課題解決に取り組む次世代のSDGsリーダーになる」をMissionとする。①学生自身が、所属組織の持続可能性について深く考え、自己表現する機会の提供、②立命館大学びわこ・くさつキャンパスから社会課題解決に向け提言、③時代、社会、人の変化に対応できるサステイナブルキャンパスの実現」を理念に、SDGsに則した組織を創り、組織や考え方を柔軟に進化させながら、学生や社会、大学の在り方を持続可能な形に変化させることを目指す。

 

今後の課題

裾野をさらに広げること。本学は約35,000人の学生が学び合う私立総合大学であり、RIMIXには問題意識の高い学生が集まっています。大学全体を見ると、その中にはSDGsを知らずに入学してくる者もいます。学生全員に社会課題に向き合ってほしいというのもむずかしいかもしれませんが、少なくともその重要性についての認識は共有してもらいたい。

そのためにも《知の見える化》、学園内で行われている知的創造活動については、学内外を問わずとにかくアピールすることがますます重要になってきます。誰が、いつ、どこで、どんな事をしているかが分からなければ賛同しようもないし、関心の持ちようもないからです。

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立命館大学

大学ジャーナルオンライン編集部

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