早稲田大学は、児童養護施設入所者や出身者向けの新しい奨学金「紺碧の空奨学金」を設けた。入学前に在学中の奨学金支給を約束する入試前予約採用給付奨学金で、2017年度の入学者から支給を始める。児童養護施設出身者は経済的理由で大学進学をあきらめるケースが多いだけに、朗報となりそうだ。

 早稲田大学によると、紺碧の空奨学金の申請資格は児童養護施設に入所中か、退所して2年以内で、申請時に満20歳に満たない人。入学後独立して生計を営み、2017年度か2018年度に進学を希望することを条件としている。

 2018年度の進学希望者も対象となるため、高校2年次で資格取得すれば、受験まで勉強に集中することができる。支給が認められれば、入学検定料や入学金、授業料、実験実習費などの諸経費が免除されるだけでなく、卒業までの4年間、月9万円の生活費が出る。また、在学中は、生活のために修学状況が悪化することのないよう、大学担当者との面談やスチューデント・ジョブ(学内での教員補助業務など)への従事を通じてフォローが行われる。

 親の虐待などにより、児童養護施設で暮らす子供は全国に約3万人いるが、大学など高等教育機関に進学するのは22.6%にとどまり、全高卒者の76.9%と比べて開きがある。進学後もアルバイトで働き続けなければならず、体を壊して中退するケースが後を絶たない。
 
 児童養護施設出身者向けの給付型奨学金は福岡県北九州市が2012年度から入学金に29万円、住居費に年20万円を補助。京都府京都市は2014年度から施設退所の延長期限が切れる20歳以降の学費の半額を支給している。長野県は2015年度から月最大5万円を4年間にわたって支給、日本財団(東京)が2016年度から年250万円を上限に給付を始めるなど、自治体を中心に支援の輪が広がりつつある。

希望者は9月30日(消印有効)までに簡易書留で早稲田大学奨学金課「紺碧の空奨学金」係まで申請書類を送付する。
 
参考:【早稲田大学】児童養護施設入所者(出身者)へ 「紺碧の空奨学金」募集のお知らせ(9月30日〆切)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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