京都大学大学院工学研究科の青井伸也講師をはじめとする共同研究グループは、人が歩き、走るための脳神経の制御様式を、脳神経・筋・骨格系の数理モデルを用いた研究より数理的に明らかにした。

 人の身体には多数の筋肉や関節があり、脳神経がこの複雑な構造を上手く制御することで、歩いたり、走ったり、様々な運動を可能にしている。その際、脳神経は多数の筋肉をそれぞれ個別に制御するのではなく、運動に応じた筋の組合せと活動パターンを複数用意しておき、それらを介して制御することで制御の構造をシンプルにし、負荷を減らしている「筋シナジー」と呼ばれる考え方が提唱されている。

 本研究グループは、この筋シナジーに基づく脳神経の制御モデルと筋 ・骨格モデルを統合した動力学シミュレーションを行った。その結果、筋の組合せや、活動パターンの性質を少し変えただけで、歩行と走行という振る舞いの大きく違う運動が実現された。さらに、上記のパターンの制御パラメータを変えるだけで、歩行と走行の両方で、一定の範囲ながら速度を変化できることもわかった。

 この結果は、未だ議論のある筋シナジーの存在に重要な示唆を与え、運動能力やコーチングの向上などスポーツ科学の発展や、リハビリテーション法の開発などの医療分野、さらには、外骨格ロボットの制御など運動支援技術の発展に寄与すると期待される。

論文情報:【Scientific Reports】Neuromusculoskeletal model that walks and runs across a speed range with a few motor controlparameter changes based on the muscle synergy hypothesis

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