順天堂大学と株式会社リクルートメディカルキャリアは、2019年2月、急性期虚血性脳卒中患者へ迅速な治療を行うため、モバイル端末を利用した医療多職種間コミュニケーションに関する共同研究を開始した。

 脳卒中は、日本における死因の第4位で、寝たきりや介護が必要となる原因疾患の第1位(「脳卒中治療ガイドライン2015」より)となっており、年間約1.7兆円の医療費が費やされている(厚生労働省「2016年度国民医療費の概況」より)。この脳卒中のうち「急性期虚血性脳卒中」は、治療開始が早いほど良好な転帰が期待できるとされてるが、患者の病院到着後、医師、看護師、放射線技師等の医療多職種間でどのような情報がどのように共有され、また、CT/MRI画像の撮影や治療に必要な機材の手配など治療開始までにどれくらいの時間を要しているのかを正確に把握できていないのが現状。

 そこで、今回の共同研究では、緊急治療を要する急性期虚血性脳卒中の患者に迅速な治療を行うため、医療関係者間コミュニケーションアプリ『Join(汎用画像診断装置用プログラムJoin)』を活用。 『Join』は、スマートフォン等のモバイル端末を使ってCT/MRI等の医用画像や心電図等の生体モニターを医療関係者間で共有し、スムーズな診療の実現を図るモバイルアプリケーション。患者の個人情報を適切に管理した上で、このモバイルアプリケーションの機能を活用し、医療多職種間の情報(文字情報、画像情報、音声情報)および患者の病院到着から治療の開始までの情報収集の過程や共有にかかる時間をデータ化・可視化し、医療多職種間のコミュニケーションの最適化を図ることを目指す。

 研究を通じ明らかになった医療多職種間のコミュニケーションの最適化は、今後、頭部以外の血管性疾患やその他の急性疾患等の緊急治療を要する他の疾患治療においても活用し、医療全体の質の向上、患者のQOL(Quality of Life)や予後の改善に寄与することが期待される。なお本研究は、順天堂大学医学部附属順天堂医院の他、三次救急医療施設である静岡病院、浦安病院、二次救急医療施設である練馬病院においても実施する予定。

参考:【順天堂大学】順天堂大学、リクルートメディカルキャリアと急性期虚血性脳卒中に対するモバイル端末を利用した医療情報連携に関する共同研究を開始

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大学ジャーナルオンライン編集部

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