麻布大学と群馬大学の研究グループは、イヌの飼育が家族との関わりを地域や友人との交流へと広げることでウェルビーイングを高め、さらに、人との交流がストレス応答性に関わるコルチゾールや腸内細菌叢とも関連していることを明らかにした。
今回の研究では、184名を対象に、2週間の日常生活における家族、友人、地域住民との関わり、イヌ・ネコとの関わりを記録した。さらに、ウェルビーイング、自尊心、一般的信頼感などの心理学的指標を測定し、尿中コルチゾール濃度や腸内細菌叢といった生理学的な因子を解析した。
データの解析により、イヌやネコの飼育そのものがウェルビーイングを直接高める効果は認められなかったが、イヌの飼育は、家族との関わりや地域住民や友人との交流を増やすことが分かった。特に女性では、家族との関わりが、地域や友人との交流へと広がることで、自己肯定感やウェルビーイングの向上と関連していた。ネコの飼育では家族や地域との関わりとの明確な関連は認められなかった。
また、親しい人との会話が多い人ほど尿中コルチゾール濃度が低く、イヌの飼育や人との交流は腸内細菌叢の構成とも関連していた。
これにより、伴侶動物、特にイヌの飼育は、ウェルビーイングを直接高めるのではなく、人とのつながりを通じて間接的に寄与することが示された。また、人との交流はストレス応答性に関わるコルチゾールや腸内細菌叢とも関連していた。
今回の研究は、イヌの飼育が社会的・生物学的な経路を通じて人の健康に寄与している可能性を示したものであり、今後、イヌとの共生が人の健康やウェルビーイングにもたらす効果のさらなる解明が期待されるとしている。

