日本女子大学が文化庁より委託を受けて継続的に学術調査を実施してきた約10万点の「醍醐寺文書聖教(だいごじもんじょしょうぎょう)」が、これまで分散指定されていた重要文化財等の統合により、体系的に国宝として指定された。
真言宗醍醐派総本山・醍醐寺(京都市)が所蔵する「醍醐寺文書聖教」は、同寺に伝来する膨大な文書・典籍・聖教類(僧侶の修学活動の中で生み出された書物)から成る。その特徴として、第一に、平安時代~近代に至るまでの史料が継続的に遺されていること、第二に、天皇や貴族の発給文書や、足利尊氏や豊臣秀吉ら武家との密接な関わりを示す史料が数多く含まれていること、第三に、寺内経営や支配を表す寺院文書、僧侶の修学活動に関わる典籍・聖教・版本類が数多く見られることが挙げられる。
「醍醐寺文書聖教」の学術調査は、1902(明治35)年に東京帝国大学史料編纂所による予備調査から開始されたが、日本女子大学は1990年の史料データベース構築開始から関わってきた。とくに2013年度から2024年度までの12年間は、文化庁の委託により、日本女子大学が全点調査および目録作成事業を主導した。寺院運営に関わる記録類や修験関係史料、事相・教相に関する聖教、版本類など、多様な史料の精査に、長年にわたり学生が参加し、史料目録作成などを担ったという。
2024年3月にこれらの調査・目録作成が完了し、醍醐寺文書聖教の全体像が把握された。「醍醐寺文書聖教」は、大正時代から続いてきた調査により、これまで段階的に重要文化財および国宝に指定されてきたが、今回の全点調査完了を機に、既指定の国宝に重要文化財を統合し、有形文化財を加えて、総点数94,192点、附文書聖教箱711合からなる国宝となった。
日本女子大学の取り組みは、学生や卒業生が文化財調査に携わる貴重な学修の場となったとともに、「醍醐寺文書聖教」の学術的価値の明確化に大きく寄与したとしている。
参考:【日本女子大学】日本女子大学の長年にわたる約10万点の調査研究が結実 全点調査完了により「醍醐寺文書聖教」が体系的に国宝として位置づけ
