森永乳業と信州大学はラクトフェリンの摂取が冬季感染症の発症、症状に及ぼす効果の共同研究を実施。その結果、ラクトフェリンの摂取が、感染性胃腸炎の発症率を低下させ、下痢の期間を短縮させることを確認した。この研究は、森永乳業が加盟する長野県の松本地域健康産業推進協議会の事業として産官学連携で実施。日本ラクトフェリン学会の学会賞・冨田賞(応用部門)を受賞した。

 ラクトフェリンはヒトなどの哺乳類の乳汁や唾液などに含まれるタンパク質で、さまざまな病原体に対して感染防御作用を示すことから、ヨーグルトなど多くの商品に配合されている。臨床研究では、冬季感染症の感染リスクが高い保育園児がラクトフェリンを摂取すると、ノロウイルス(感染性胃腸炎の主要病原体)への感染率が低下することが報告されている。

 今回、園児と接する機会が多い高い保育園、幼稚園職員3百数十名を対象に、ラクトフェリンの摂取が冬季感染症の発症、症状に及ぼす効果を検討する臨床試験を行った。冬季の12週間にわたり、対象者にラクトフェリン(200mgか600mg)と何の効果もない偽薬(プラセボ)のどちらかを摂取してもらい、期間中の冬季感染症の発症、症状を日誌に記録してもらい比較検討を行った。

 その結果、感染性胃腸炎の発症率はプラセボ群が 22.6%、200mg群が12.1%、600mg群が11.6%で、どちらのラクトフェリン群も発症率が低かった。また、感染性胃腸炎を発症した人で下痢の症状が見られた期間(1回当たり)は、プラセボ群が1~6日、200mg群が 1~2日、600mg群が1日で、600mg群が短かった。これにより、ラクトフェリンの摂取は感染性胃腸炎の発症を抑制し、発症した場合の下痢の期間を短くすることが示された。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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