日本学術会議は、経営学だけでなく工学分野でも重要な研究対象になっている「サービス学」の教育課程編成上の参照基準をまとめた。サービス学の定義から学生が獲得すべき基本的能力、学修、評価方法をまとめ、大学がサービス学の教育課程を編成するうえでの指針となっている。

 日本学術会議によると、参照基準は経営学委員会と総合工学委員会の合同サービス学分科会がまとめた。委員長の新井民夫東京大学名誉教授、副委員長の椿広計統計センター理事長ら17人の学識経験者が参加している。

 海外のサービス学に関する研究動向を見てみると、体系的な整理は不十分ながら多方面の研究者が新しい研究分野の確立を目指して共同作業を進めている。日本でも文系、理系の研究者や実務家によって行われている研究を教育に反映させることが望まれているが、サービス学という講座や学科はまだ無く、体系的な教育が行われていない。このことを踏まえ、先端的な分野として「サービス学」をとらえ、学士課程において関係分野全般における教育全般の在り方を提案している。

 参照基準では、サービス学の定義について、「提供者と受容者が価値を共創する行為であるサービスを総合的に学ぶ学問」とした。大学ではサービス業のシステム理論と実践方法と提供するとしている。

 サービス学を学ぶ学生はサービスが持つ多様な特徴を踏まえたうえで、的確な意思決定ができる能力や問題を見つけて解決する能力を養うべきと規定した。

 学修方法に関しては、講義、演習、実習などさまざまな教育方法を用いる必要があるとした。サービス学が他の専攻分野との連携が必要であるとして、副専攻として専門外の分野を体系的に学ばせることを強調している。
成果の評価方法は課題発見と解決能力、関係者とのコミュニケーション能力、多様性の理解力などを対象に、幅広い評価基準を用意すべきだとしている。

参考:【日本学術会議】大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準サービス学分野(PDF)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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