東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センター(センター長:萩谷昌己)は、個人認証技術の大規模な実証実験(MITHRA Project *1)を、2016年度後半に実施することを発表した。

 インターネットの普及とともに、個人認証の重要性が高まっている一方で、既存の技術では抜本的な解決ができず、いまだにIDとパスワードによって支えられているのが現状となっている。同研究科は2013年4月から、三菱UFJニコス株式会社による「次世代個人認証に関する寄附講座」を開設。ユーザーにとっての認証手間の軽減、安全性に問題が発見された認証手段への代替手段導入、複数の認証手段の包括的な運用実現など、利便性が高く柔軟な評価が可能な認証システムの研究を進めてきた。

 4年目を迎える今年、研究をより確かなものとするため、複数の民間企業からの協力を得て、被験者50000人の大規模な実証実験を計画。各企業の商用サービスをほぼそのまま利用する形で、実験を進める。また、システムの実用化を見据えて、既存技術との連携を目的とした検証も行う。実証実験テストは2016年10月からの2カ月間を予定している。

*1 MITHRA Project Multi-factor Identification/auTHentication ReseArch project (ミスラ・プロジェクト)

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