大阪大学の研究により、人が触れているモノはよりかわいいと感じられ、さらに触れている人自身もよりかわいいと感じられることが新たにわかった。

 これまで、かわいいという気持ちは、対象がもつ特徴によって生じると考えられてきた。多くの人がかわいいと感じるものには、大きな頭や広い額などの特徴があり、「ベビースキーマ」と呼ばれている。一方、近年の研究では、個体の見た目だけでなく、個体同士の関係性もかわいさに影響することが示唆されている。

 そこで本研究では、個体のベビースキーマの程度と個体同士の関係性という2つの要素を同時に操作し、かわいさの評価がどのように変化するかを検討した。具体的には、ベビースキーマの程度が異なるモノ(ぬいぐるみ/クッション)に、人が触れている写真と触れていない写真を用意し、モノと人それぞれをどの程度かわいいと感じるかを尋ねるWEBアンケートを実施した。同様の調査を、日本(198名)では「かわいい」、アメリカ(199名)では「cute」を基準として行った。

 その結果、ベビースキーマの高いモノ(ぬいぐるみ)は、低いモノ(クッション)よりもかわいいと評価されたが、ベビースキーマに比べると効果は小さいものの、人が触れているモノは触れられていないモノよりもかわいいと評価される傾向が新たにわかった。加えて、ベビースキーマの程度にかかわらず、モノに触れていると、そのモノだけでなく触れている人までもよりかわいいと評価されることが明らかとなった。これらの結果は、日本とアメリカに共通して認められた。

 本研究により、かわいさの評価には、個体の特徴だけでなく、個体同士の親和的な関係性も影響することが示された。また、かわいいと感じる心のメカニズムが、異なる文化圏でも共通して存在する可能性が示唆された。

 これらの知見は、広告や商品開発において、人がモノに触れている状況を活用することで、商品や人の魅力をより高められる可能性を示すものといえる。

論文情報:【PLOS ONE】Beyond the baby schema: Objects being touched are perceived to be cute

大阪大学

一人ひとりの「真価」を、阪大の「進化」に。地域に生き世界に伸びる大学へ

大阪大学は、11学部23学科を有する研究型総合大学。1931年の創設以来、「地域に生き世界に伸びる」をモットーに、高度な教育研究力、教職員の和の力、そして伝統の重みと大阪という地の利が織りなす卓越した「基盤」と「力」を有しています。これらの優れた潜在力を活かし[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。