電気通信大学(東京都調布市)と東京都大島町は、両者が連携協力することにより、相互の資源および学術研究成果等の交流を促進し、活力ある地域社会の創造、協働による地域の課題解決、人財育成および相互の発展に資することを目的に包括的な協定を締結した。
2023年11月、大島町の坂上町長が電気通信大学を訪問したことを契機に、大島における再生可能エネルギーやデジタル人材の育成等に関する意見交換、および大島町と大学関係者の相互訪問などを通じて、大島町より包括的な協力関係構築の提案があり、今回の包括連携協定締結に至った。
両者が連携協力する主な取り組みは、「①円筒形太陽電池を活用した島しょ地域でのソーラーシェアリング実証事業」「②遊休温室を活用した地域産業創出プロジェクト」「③デジタルを活用したこれからの学びの推進」。
大島町を代表機関とする「円筒形太陽電池を活用した島しょ地域でのソーラーシェアリング実証事業」は、2024年度の東京都の「将来性ある先進的事業」に採択されたもので、町直営の牧場未利用地に次世代型ソーラーセル等を使用した円筒形太陽光発電設備を設置し、その下で伊豆諸島名産の明日葉を栽培している。本事業では、円筒形太陽電池の発電量や農作物の成長への影響、および太陽電池への塩害状況などに関する実証実験を行い、離島において「発電」と「農業」を両立させるソーラーシェアリングのモデル確立を目指す。
電気通信大学を代表機関とする「遊休温室を活用した地域産業創出プロジェクト」は、2025年度の「東京都と大学との共同事業」に採択され、遊休化した温室を活用し、高度な栽培技術やデジタル技術を組み合わせることで、付加価値の高い食材である生胡椒の安定生産を目指している。シェアファームでの就農モデルの検証や大島産農産物を活用したメニューの開発も行うことで、地域産業の創出とブランド化を推進する。
「デジタルを活用したこれからの学びの推進」では、未来のデジタル人材育成に向けて、電気通信大学、東京都教育庁大島出張所、大島町教育委員会が連携し、児童・生徒に人工知能(AI)を中心とするデジタル技術を活用した個別最適な学びと協働的な学びの一体的な体験を提供。主体的・対話的で深い学びを実現し、一人一人が「自立した学習者」となる学びを目指す。2月16日、17日には、さくら小学校、つつじ小学校、第二中学校、第三中学校にて生成AIを利用したゲームの作成やプログラム言語の基礎に関する授業を実施した。
今後はこれらの取り組みを推進するとともに、AI、半導体、プログラミング等のICT分野での協力体制の構築や、大島町の児童・生徒を対象とする本学の研究設備の体験会の開催などを通じて、大島における産業創出に向けた実証実験およびデジタル人材の育成の加速・拡大に取り組む予定。
