2024年9月13日、日本私立学校振興・共済事業団は2024年度の私立大学・短期大学等入学志願動向を発表した。入学定員充足率100%未満の定員割れ大学数は34校増加して354校。大学全体に占める未充足校の割合は、59.2%と5.9ポイント上昇し過去最高、定員割れの短大数は5校減少して249校。短大全体に占める未充足校の割合は、91.5%と前年同様の90%台、入学定員数を減少させているものの昨年からの改善はあまり見られなかった。
※大学は学部別集計、短大は学科別集計

 大学のサンプル数は、598校と昨年より2校減少。入学定員が50万3874人と1239人(0.2%)増加している中で、入学者は49万4730人と5869人(1.2%)減少している。

 2024年度の大学全体における入学定員充足率は98.19%。前年よりも1.40ポイント下降しており、三大都市圏(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫)に絞ると充足率は100.01%。ギリギリ充足しているが、前年よりも1.37ポイント下降している。その他の地域の充足率は92.73%で4年連続定員割れ、昨年よりも1.52ポイント下降となっている。

 三大都市圏の大学を収容定員規模別にみてみると、小規模(収容定員4千人未満)は90.31%、中規模(収容定員4千人以上8千人未満)は101.75%。大規模(収容定員8千人以上)は103.32%と、「小規模」のみ定員割れをしている。その他の地域でも、小規模87.00%、中規模100.08%、大規模105.70%と、「小規模」のみが定員割れとなっている。

 短大のサンプル数は、272校と昨年より4校減少。入学定員は4万4655人と4162人(8.5%)減少し、入学者も3万1295人と3846人(10.9%)減少している。

 2024年度の短大全体における入学定員充足率70.08%。昨年よりも1.91ポイント下降しており、三大都市圏に絞ると充足率は69.47%で前年よりも1.72ポイント下降、その他の地域の充足率は70.61%で前年よりも2.06ポイント下降となっている。短大は大学と異なり、三大都市圏とその他の地域で、2021年度より充足率にほとんど差がなくなっている。

 多くの短大で入学定員減を行っているため入学定員未充足率は前年とほぼ変わらないように見えるが、入学者は10%以上減少し、厳しい状況が続いている。

参考:【日本私立学校振興・共済事業団】令和6(2024)年度 私立大学・短期大学等 入学志願動向(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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