東京都立大学は2025年度から、博士後期課程の学生を支援する新プロジェクト「みやこMIRAI」を立ち上げた。資格要件を満たす博士後期課程の学生全員に生活費相当額の支援と授業料免除などをする内容で、優秀な人材の博士後期課程進学を促し、日本の科学力、競争力向上に貢献する。

 本プロジェクトは、資格要件を満たす全博士後期課程学生に対し、年額240万円(月額20万円)の研究奨励費を支給し、加えて年額52万800円の授業料を全額免除する。これにより、学生が経済的不安を抱えることなく研究に専念できる環境を整備する。

 さらに、2年次以降においては、日本学術振興会特別研究員(DC)等に採用された学生や、同等の優れた研究業績を持つ学生には、給付額を上乗せして支援する。この上乗せによって、授業料免除と合わせて年間約472万円相当の経済的支援となり、同世代の社会人の給与水準に匹敵する待遇となる。また、年額上限30万円の研究費支給、メンターによる面談や研究インターンシップなどのキャリア支援も実施する。

 対象は日本国籍または特別永住者等で、入学時30歳未満、標準修業年限内などの要件を満たす者。留学生には別途、東京グローバルパートナー奨学金プログラム等による経済支援を用意している。

 大橋隆哉学長は、近年の博士後期課程進学者数減少の背景に経済的不安や修了後のキャリア不安があると指摘。そのため東京都立大学は2023年度から研究力強化推進プロジェクトを展開し、若手研究者育成を柱の一つとして位置づけ、これまでも多様な支援を行ってきた。

 「みやこMIRAI」もその一環であり、学生が安心して学問に集中できる体制を整えることで、意欲ある学生の成長を後押しし、卓越した研究力とコミュニケーション力、主体性を兼ね備えた次世代の高度専門人材を育成する。

参考:【東京都立大学】東京都立大学 博士後期課程学生支援プロジェクト 「みやこMIRAI」始動 ~経済的支援を大幅に拡充し、研究に専念できる環境を整備~

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