近畿大学理工学部理学科の堂寺知成教授らの研究グループは、「青銅比」で構成される準結晶のタイリングを世界で初めて発見した。この成果は、英国科学誌「Nature Materials」に2017年8月15日付け(日本時間)で掲載された。

 固体には原子や分子が同じパターンで並ぶ「結晶」とバラバラに並ぶ「非晶質」しかないと考えられてきたが、一見バラバラだが一定の規則性を持つ「準結晶」を1984年イスラエルの科学者が発見し、新たな構造と性質を持つ物質を作り出せる可能性が生まれた。人間が美しいと感じる比率「金属比」のうち、黄金比は正10角形準結晶や正20面体準結晶に、白銀比は正8角形準結晶に関連している事が知られている。しかしながら、青銅比に関しては、これまで関係した準結晶は知られていなかった。

 今回、同グループは、小正三角形、大正三角形、長方形の3種類のタイルを使って青銅比で構成される準結晶のタイリングを世界で初めて発見した。準結晶形成シミュレーションでも2014年に生成を確認しており、理論だけでなく、実際に青銅比準結晶が作成可能なことを示した。また、従来、6回の回転対称性は結晶を示す性質と考えられていたが、その常識を今回の発見で覆し、新たな物質構造の可能性を提示した。

 この研究成果を活かして、今後は液晶やゴム、ジェルなどのソフトマター準結晶や合金系準結晶などの発見が期待される。

論文情報:【Nature Materials】Bronze-mean hexagonal quasicrystal

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大学ジャーナルオンライン編集部

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