民間の宇宙ビジネスが次々に計画され、国際有人宇宙探査計画が進む中、宇宙進出の利点や問題点をまとめた報告書が、京都大学の呉羽真学際融合教育研究推進センター宇宙総合学研究ユニット特定研究員らのグループにより発行された。

 京都大学によると、報告書はタイトルが「将来の宇宙活動に伴う倫理的・法的・社会的含意に関する研究調査報告書」で、約50ページ。宇宙物理学、哲学、倫理学などの研究者9人が中心となり、2年かけてまとめ上げた。

 宇宙開発のメリットとしては、宇宙の成り立ちや火星など太陽系惑星、衛星での生命の痕跡探査など科学的知識の向上だけでなく、大型公共事業の側面も持つことから、産業の育成、雇用の創出につながるほか、BS放送、携帯電話など多種多様な社会インフラの提供に貢献するとした。

 逆に、デメリットとしては有人火星探査に数千億ドルかかるといわれるようにばく大な公的資金が必要になるうえ、スペースデブリ(宇宙ごみ)の増加による環境破壊、宇宙飛行士の健康被害などが考えられるとしている。さらに、ロケット技術がそのまま弾道ミサイル技術に転用でき、世界の安全保障に問題を与えかねないことや、宇宙開発で得た技術がテロなどに利用される危険性も秘めているとしている。

 「将来の宇宙探査・開発・利用がもつ倫理的・法的・社会的含意に関する研究調査報告書」の正式版は、下記サイトの「報告書(pdf)」をクリックし、ダウンロードすることができる。

参考:【京都大学宇宙総合学研究ユニット】プロジェクト「宇宙探査・開発・利用の倫理的・法的・社会的含意の研究調査」

京都大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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