国際産学共同研究を進める日本企業の4割近くが、米国の大学をパートナーとし、過半数が先進国の大学だけを対象としていることが、科学技術・学術政策研究所、九州大科学技術イノベーション政策教育研究センターの共同調査で明らかになりました。その一方で、急発展するアジア諸国の大学を相手に選ぶ企業も増えており、共同研究をビジナスへ波及させたいと考える企業の意向も浮き彫りになっています。

調査は研究開発活動をしている日本企業3,000社を対象に、2014年1月に調査票を郵送、うち679社から回答を得ました。それによると、国際産学共同研究を実施している企業は、「従業員1,000人以上、3,000人未満」が最も多く、全体の29%を占めました。パートナーとなる大学の所在地は、米国が突出して多く、37%となっています。次いでドイツ14%、中国13%、英国12%、シンガポール5%の順。
アジアの国、地域では、国際産学共同研究の実施件数が増加したところが46%。北米が32%増、欧州が27%増ですから、アジアの伸びが目立っています。日本企業の7割が先進国の大学を相手に共同研究を進めており、52%は先進国の大学だけを共同研究の対象にしています。これに対し、新興国の大学だけを相手にしているところは17%にとどまりました。
研究分野では、先進国の大学が相手の場合、工学系が最も多く26%を占めました。材料工学16%、医学12%と続きます。新興国の大学だと、工学30%がトップなのは先進国と同じですが、2位以下が農業・食品科学15%、化学工業13%、環境科学9%と続き、先進国と違いが見られました。

研究に各企業の海外拠点がどう関係したかについては、ほぼ半数が「無関係」と回答していて、海外拠点が共同研究に限定的な役割しか果たしていないことが分かりました。国内の大学ではなく、海外の大学をパートナーとした理由は、先進国だと国内の大学を上回る研究水準を挙げる企業が53%、新興国だとビジネス面の波及効果とする企業が51%を占めています。
外部資金や優遇政策は、先進国、新興国とも9割以上が活用していませんでした。研究目標の達成率は、先進国が相手の場合、国内大学とほぼ同水準でしたが、新興国を相手にするとかなり低くなっています。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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