引用文献データベースに収録される論文数や書籍数、競争的資金の獲得件数が増えるほど教授への昇進確率が上がる一方、研究業績の発表がない期間が長いほど昇進確率が低下する-。文部科学省科学技術・学術政策研究所が研究者データベースを使い、研究業績と教授昇進の関係を分析したところ、こんな結果が出た。

 調査分析は科学技術・学術政策研究所第2調査研究グループの藤原綾乃主任研究官が担当。科学技術振興機構が提供する研究者データベース「リサーチマップ」を用い、日本の大学に所属する研究者の研究業績が昇進にどのような影響を与えているのかを分析した。

 それによると、昇進に影響を与える要素として引用文献データベースに収録される論文数や書籍数、競争的資金の獲得件数、性別、研究業績がゼロの年の有無、研究キャリア内で業績ゼロの時期を設定し、分析した。

 その結果、国際的情報出版社の「エルゼビア」が提供する引用文献データベース「スコーパス」に収録された論文数、書籍数、競争的資金の獲得件数が多くなるほど、教授昇進に良い影響を与えていることが分かった。

 研究業績発表ゼロの期間が長いほど教授昇進確率が低下していたが、ネガティブな影響を与えているのは研究スタートから最初の5年間と、スタート後20~30年の期間に限られていた。

 科学技術・学術政策研究所は「最初の5年間は研究者が各々の専門分野で礎を築き、人的ネットワークを構築する時期。20~30年後は教授昇進の決定に際し、目に見える形で研究成果が求められるからではないか」とみている。

参考:【文部科学省科学技術・学術政策研究所】研究発表空白期間がアカデミア昇進に与える影響分析~研究者の属性に関するイベントヒストリー分析~[DISCUSSION PAPER No.155]の公表について

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大学ジャーナルオンライン編集部

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