北海道大学大学院教育学研究院の松浦倫子学術研究員と山仲勇二郎准教授の研究グループは、2020年初頭、COVID‑19流行によって外出自粛や行動制限が求められたことが大学生の主観的健康感や生活リズムにどのような影響を与えたかを調べた。その結果、睡眠の質の悪化と運動量の減少が健康悪化と強く関連していることが分かった。
研究グループは2020年4~6月と2021年4~6月、北海道大学、札幌国際大学、北星学園大学、北海道科学大学の学部学生、大学院生774名から睡眠習慣、運動量、⾷習慣、主観的健康感、気分状態について聞き取り、有効回答数678名分を分析した。
それによると、大学の閉鎖前は健康状態について「良い」または「とても良い」と答えた学⽣が52%いたが、閉鎖後は39%に減少。「悪い」または「とても悪い」と答えた学生は8%から20%へと増加した。
生活習慣の変化をみると、運動量が大きく減少したほか、就寝時間と起床時間が遅くなる傾向が2021年調査で明らかになった。食習慣では朝食の欠食が約3割に達し、食事のタイミングが遅れて1日の食事回数が減っていた。
一方、同じ閉鎖期でも健康が改善した学生も一定数おり、その改善には睡眠の質の向上と運動習慣の回復が大きく寄与していた。
研究グループは、睡眠の質を保ち、運動習慣を維持することが、危機下の若者の健康を守るうえで最も効果的である可能性が高いとみており、「大学や自治体が将来の公衆衛生危機に備える際、生活リズムを整える支援や運動機会の確保を優先することが重要」としている。

