リクルート進学総研は、文部科学省の学校基本調査データをもとに、高等教育機関に大きな影響を与える、2036年までの「18歳人口予測」「進学率推移」「地元残留率」について分析した内容を発表した。

 18歳人口は2024年で106.3万人だったが、2027年から減少に転じ、2035年に100万人を下回る。2036年の18歳人口は94.2%と推計され、2024年の88.6%まで落ち込む見通し。

 東京都と沖縄県だけは、18歳人口が増加傾向にあり、東京都と沖縄県以外で、国全体の減少率11.4%より小さい減少率の都道府県は、福岡県(▲1.3%)、熊本県(▲6.1%)、神奈川県(▲7.7%)、愛知県(▲8.4%)、千葉県(▲8.7%)、埼玉県(▲9.3%)、宮崎県(▲9.4%)、島根県(▲9.9%)、鹿児島県(▲10.7%)、大阪府(▲11.1%)、広島県(▲11.4%)の13都府県となっている。

 東北地方中心に18歳人口の減少が激しく、20%以上の減少率となっているのは、秋田県(▲28.5%)、青森県(▲21.7%)、山形県(▲21.2%)、岩手県(▲21.0%)、群馬県(▲20.8%)、栃木県(▲20.4%)、富山県(▲20.4%)と7県ある。

 大学進学率は2015年度の48.9%が2024年度に58.4%と10年間で9.5ポイントと上昇。都道府県別の上位5つは、東京都(73.0%)、京都府(70.8%)、神奈川県(67.3%)、兵庫県(65.6%)、大阪府(65.3%)となっている。

 大学進学における地元残留率は2015年の43.6%が2024年に44.8%とわずかに上昇している。都道府県別の上位5つは、愛知県(71.4%)、東京都(68.8%)、福岡県(65.9%)、北海道(65.3%)、大阪府(60.1%)となっている。

 リクルート進学総研の小林浩所長は、「高等教育機関にとって、人口が横ばいとなる今後5年程度が、学生募集に向けて改革を進める重要な時期となり、地域の実情に合致した形での改革が必要になってくる。今年は通信制の大学新設もあり、従来のような都市圏vs地方圏という単純な構図ではなくなっており、多角的に学生募集を考える必要がある」とみている。

参考:【リクルート進学総研】18歳人口予測大学・短期大学・専門学校進学率地元残留率の動向(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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