芝浦工業大学と世紀東急工業株式会社は、電気自動車(EV)への「走行中ワイヤレス給電」の実用化に向け、給電ユニットを舗装表層に露出設置する実証実験を開始したと発表した。
道路に埋設した送電コイルから走行中のEVに電力を供給する「走行中ワイヤレス給電」は、EVの航続距離不安を解消し、「充電する道路」という新たなインフラを実現させる可能性を持つ技術である。
これまでの研究では、送電コイルを舗装下に埋設する方式が一般的だったが、伝送距離の増加や施工・補修コストの増加といった課題があった。そこで本研究では、先行研究が少ない「給電ユニットを舗装表層に露出設置する構造」を採用した。この方式では、掘削量の削減や施工時間の短縮、補修時の再開削が不要になるなど、現場負担の軽減が期待される。
今回の実証実験では、実車スケールで「施工できるか」「維持管理できるか」まで実用化の観点から検証する。防水・遮水性能の確保や結露対策、電源設備との配線取り回し、車両荷重に対する耐久性、施工手順の標準化など、これまで十分に整理されていなかった実務上の課題を抽出しながら検討を進める。
走行中ワイヤレス給電は単なる電気設備ではなく、道路という社会インフラと一体で整備される必要がある。そのため、将来の道路更新工事と同時施工できる技術の実現を目指し、電気電子、土木、材料、機械、情報など多分野の研究者と、舗装・社会インフラの豊富な知見を持つ世紀東急工業が連携して研究開発に取り組むという。
実証実験で得られたデータを基に、設計の最適化や各要素技術の高度化を図り、「充電する道路」の社会実装に貢献していくとしている。
