文部科学省は高校のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に向け、2025年度は公立・私立の全国1200校程度を財政支援する。2024年度より高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)をスタートし、採択された1010校に対し計100億円が支援された。2025年度はさらに新規200校や都道府県を支援対象に加えている。大学で進むデジタル・理数分野への学部転換の効果を最大限発揮するには高校段階での人材育成の抜本的強化が必要なためで、2024年度補正予算として74億円は決定し、2025年度予算案2億円は、通常国会で可決されれば実行に移す。
文科省によると、2025年度は全国の高校1200校程度と域内横断的な取り組みを行う47都道府県が支援対象。支援額は継続校に対して各500万円、新規採択校200校に対してそれぞれ1000万円、47都道府県に各1000万円。さらに、重点類型「グローバル型」、重点類型「特色化・魅力化型」、重点類型「プロフェッショナル型」、重点類型「プロフェッショナル型・半導体重点枠」の要件を満たす取組を重点的に実施する高校等については、80校を選定し補助上限額を200万円加算。支援対象例としては、ICT機器、遠隔授業対応の通信機器、理数教育用設備、専門人材の派遣費用などを挙げている。
継続校については、予算にかかわらず前年度の取組実績の状況によって不採択になる場合もある。新規採択校については、各都道府県の基準枠の範囲で採択基準(基本類型・重点類型共通)に基づく得点上位の学校から順に都道府県基礎枠で採択し、そこからもれた学校の中から得点順に予算の範囲内で全国枠採択校として決定する。重点類型に関しては申請要件を満たす学校のうち採択基準(基本類型・重点類型共通)に基づく得点、採択基準(重点類型)に基づく得点を合算した得点上位の学校から順に予算の範囲内で採択校として決定する。
採択校には、情報Ⅱや数学Ⅱ・B、数学Ⅲ・Cの履修推進を求めるほか、情報や数学を重視した学科、コースの設置、デジタルを活用した文理横断的で探究的な学びの推進、地方の小規模校で理数系科目の遠隔授業での履修、海外留学の推進などを求め、大学でのデジタル分野学修の基盤養成を進めることにしている。