カナダのガードナー財団は、2017年3月28日、ガードナー国際賞(Canada Gairdner International Award 2017)を東京農工大学(東京都府中市)遠藤章特別栄誉教授に授与すると発表。同賞は生命科学・医学分野の賞として、著名な賞の一つとして知られ、受賞者の多くがノーベル賞を受賞している。遠藤教授は、青カビから血中コレステロール値を下げる薬の開発に繋がった物質「スタチン」を発見した功績が認められ受賞。授賞式は2017年10月にカナダ・トロントで行われる。

 農学博士である遠藤教授は、1933年生まれ秋田県出身、東北大学を卒業。現在は、株式会社バイオファーム研究所代表取締役所長、及び同大学先端産学連携研究推進センターにて特別名誉教授として応用微生物学、生化学、食品・医薬開発の研究に取り組んでいる。また過去には、農芸化学賞、ハインリヒ・ウィーランド賞(西ドイツ)、ウォーレン・アルパート賞(ハーバード大学医学部)など、数々の国内外の賞を受賞した経歴を持つ。

 3月30日に同大学にて行われた記者会見で遠藤教授は、自身の研究について「私の若いころ、1960年代70年代の研究環境は、とてものんびりしたものでした。自分の好きな研究を自分の好きなペースででき、非常に熱心に研究することができました。そういった環境が、スタチンの開発につながった」と述べた。また、若い世代へのメッセージとして、「外国での生活を1年か2年、半年でもいいですから、経験してほしいです。日本を外から客観的に見ると、どこが日本で足らないか、どこが行き過ぎなのかがよく見えてきます。そういう国際人にならないといけない時代になっているように感じます。」と語った。

 1959年から開始した同賞は、毎年3~6名が受賞し、受賞者には10万カナダドルが贈呈される。同財団は、実業家、篤志家など様々な分野で活躍したJ. A. ガードナー氏が50万ドルを寄付して1957年にカナダ・トロントに設立。氏が関節炎などに悩まされたことから、医学分野において顕著な発見や貢献を行った研究者を称える学術賞を設置した。

東京農工大学

農学、工学の視点から「持続発展可能な社会の実現」に向けた課題解決を目指す国立科学技術系大学。

東京農工大学は1949(昭和24)年に東京農林専門学校と東京繊維専門学校が統合して設立されました。しかし、その起源は明治7年(1874年)に設立された内務省農事修学場と蚕業試験掛にまでさかのぼります。現在では農学部と工学部からなる唯一の国立大学としてこれらの知[…]

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大学ジャーナルオンライン編集部

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